「ポジティブな言葉を投げかける」…オリックス・伏見寅威が心掛けていること
ベースボールキング
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2022.10.6(木) 17:44
適時打を放って笑顔のオリックス・伏見寅威 (C) Kyodo News
◆ 守りだけでなくバットでも貢献オリックスの劇的な逆転連覇で幕を閉じた今年のパ・リーグ。
シーズン最終戦にして優勝決定試合となった2日の楽天戦。重要な先発マスクを任された伏見寅威は、4打数2安打3打点と打つ方でも大活躍を見せた。
2点を先制された直後の5回表。無死満塁のチャンスで打席に入ると、田中将大の速球をライトへと運ぶ適時打。この一本を足掛かりに3点を奪い、オリックスは逆転に成功する。
さらに3-2で迎えた9回表には、一死二・三塁からライトへの2点適時二塁打。勝利を大きく手繰り寄せる一打を放ち、これがチームの連覇にもつながった。
5回の打席については「無死満塁で、点を取られた後の攻撃。早い段階で追いつきたいというのがあったので、大きなヒットだった」とコメント。
9回の貴重な追加点についても「キャッチャーの僕も楽になりますし、ピッチャーも気持ちが楽になる点。何としてでも取りたいという気持ちでした」と振り返る。
思わず大きなガッツポーズも飛び出したが、「あまりクールな方じゃないので、常に打ったらガッツポーズします」と笑いつつ、「あんまり打てていないので、そういうイメージないかもしれないですけど」と自嘲気味な笑みも見せた。
大逆転で掴んだ優勝、リーグ連覇に関しては「本当に信じられない」と感無量。
2日の試合も「監督にも『目の前の試合に集中』って言われていましたけど、なんかソワソワするし、ホークスの試合展開も気になってしまったり……」と裏側を明かし、「気にしないようにしていたんですが、裏でスコアラーさんがテレビで見ていて情報は逐一入って来たので、優勝が決まった瞬間は嬉しかった」と語った。
◆ 「まず勝ち切ること」
今年のチームでは宇田川優希や山﨑颯一郎、阿部翔太といった新たな力の台頭が目立った。
彼らには「前向きなことばかり声を掛けていると思います。『いいよ!いいよ!』って。若い力がチームの力になっている。そういう気持ちで常に投げてほしいので、何も言わないです」とし、ポジティブな言葉を投げかけることを心掛けていると明かす。
また、今年は山﨑福也や宮城大弥、田嶋大樹といった左腕の先発時を中心に76試合に出場。
若月健矢や頓宮裕真らとの“併用”という形になった中、「うちの投手陣は力のあるピッチャーが多い。僕の力なんて大したことないですが、まずは力を出し切ってほしいと常に思っているので、良さを引き出してあげるということを心掛けてやっている」と自らのスタンスについても語った。
迫ってきたポストシーズンに向けては、「まず勝ち切ること」と力強く宣言。
「隙を見せずにクライマックスシリーズを勝ち切って、昨年悔しい思いもしているので、またヤクルトに日本シリーズに上がってきてもらってリベンジしたい」と、昨年敗れた相手へのリベンジと日本一を見据えている。
ミラクル逆転優勝を経験し、またひと回り大きくなった背番号23。日本一を成し遂げ、再び中嶋聡監督を胴上げすることができるか。12日(水)から、新たな戦いがはじまる。
取材・文=どら増田