【オリックス】能見篤史 昨オフ球団に引退の意思伝えていた…会見で明かす

スポーツ報知

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2022.9.17(土) 06:00

引退会見を終えた能見篤史は、(左から)山岡泰輔、山本由伸、宮城大弥らから花束を受け取る

 今季限りで現役を引退するオリックス・能見篤史投手兼任コーチが16日、京セラドーム大阪で引退会見を行った。2020年オフに阪神からオリックスに移籍し、選手とコーチの“二刀流”でチームを支えたベテラン左腕は、既に昨オフ、引退意思を球団に伝えていたことを告白。球団は来季へ、投手コーチ専任での入閣を要請した。

 会見で能見はすがすがしい表情だった。「本当に悔いはない。18年という長い現役生活だったけど、やり切った」。そして、こう明かした。「正直に言いますと、去年もう1年契約していただいた時に、その(引退)意思は一応伝えていた」。その思いは、コーチを務めるなかで一層強くなった。「兼任という立場で自分が投げるよりも、色々な選手を見させていただいた。その選手が試合の中で成長していく姿がうれしかった。その時点で選手としての気持ちはだいぶ薄れていた」。

 9月に球団と最終確認を行い、福良GMから「ほんまに辞めんのか?」と問われ、中嶋監督からは、選手として「もう少し、あがけ」と言葉をかけられた。昨年のヤクルトとの日本シリーズでは11月27日の第6戦の延長11回に登板し、村上を左飛に仕留めた。今季は4試合に登板。投手としてもまだやれると期待されたが、意思は固かった。「まだ選手として見てくれている方がビックリ。ここまでさせていただいたので、感謝しかない」と恩義は忘れない。

 阪神には16年間在籍し、主力でけん引。20年オフに移籍したオリックスでは兼任で支えた。「どちらも関西で、ご縁がありマウンドに立たせてもらった。(甲子園と京セラDは)投手としての18年間で1、2番で投げた球場。プロ野球で言うと原点」。会見には山本、山岡、宮城が花束を持ってサプライズ登場。後輩たちには「苦しい時も必ず出てくるが、そこでどうするかが各選手一番大事な部分。後悔はしないようにしてほしい」と“金言”を授けた。

 福良GMは投手コーチとして来季入閣を要請したと明言。能見は「(今後については)まだこれから。何かしら力になれれば」とした。本拠地最終戦となる30日のロッテ戦では引退セレモニーが行われる。「コーチの立場で言うなら、日本一は取ってない。取れるチャンスはある。そこが一番の目標かな」。選手としてファンから、コーチとして後輩たちから愛された能見篤史。18年間の現役生活に幕を閉じ、新たな挑戦が始まる。(玉寄 穂波)

 ◆能見 篤史(のうみ・あつし)1979年5月28日、兵庫県生まれ。43歳。鳥取城北高から大阪ガスを経て、2004年ドラフトの自由獲得枠で阪神入団。12年に最多奪三振のタイトル獲得。13年の第3回WBC日本代表。20年オフに阪神を退団し、投手コーチ兼任でオリックスへ。通算成績は473試合で104勝93敗4セーブ56ホールド、防御率3・35。180センチ、74キロ。左投左打。年俸4500万円。既婚。

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