【オリックスVSソフトバンク】明暗分けた6回の攻防 比嘉幹貴は3者連続K 5年ぶり救援の和田毅は裏目

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2022.7.25(月) 07:00

6回から登板した比嘉幹貴(カメラ・義村 治子)

◆パ・リーグ オリックス7―4ソフトバンク(24日・京セラドーム大阪)

 パ・リーグは空前の混戦で前半戦を終了した。23日時点の下位3チームが上位3チームに勝ち、首位のソフトバンクから5位のオリックスまで2・5ゲーム差にひしめく大混戦となった。全球団が80試合以上を消化して5チーム以上が2・5差以内は、パでは初めてだ。最大借金7から貯金1ターンとした前年覇者・オリックスとソフトバンクの熱戦を、プロ野球遊軍・表洋介記者が「見た」。

 V争いの佳境のような熱量が漂っていた。ソフトバンクは3点を追う9回、体調不良の平野佳の代役で守護神を務めたワゲスパックから、四球と敵失などで無死満塁のチャンスを作った。だが、代打・牧原大が空振り三振。続く野村勇も空振り三振に倒れ、バットをたたきつけるようなしぐさを見せた。最後は谷川原が投ゴロ。柳田がネクストバッターズサークルで立ち尽くしたまま、4時間2分の総力戦が終わりを告げた。

 「(この日2発の)柳田につないだら何かあると思って、前の打者も高めの球を見極めてくれたら」とソフトバンク・藤本監督が悔しさをあらわにすれば、オリックス・中嶋監督も「最後、しびれた展開になっちゃいましたよね」と胸をなで下ろした。混パを象徴するように、両チームのゲーム差は2・5に縮まった。

 明暗を分けたのは、4―4で迎えた6回の攻防だ。オリックスはリリーフ一筋の比嘉がマウンドに立ち、3者連続の空振り三振。一方のソフトバンクはその裏、和田を5年ぶりに中継ぎで起用した。だが、先頭・野口を歩かせ、2死一、三塁から杉本に決勝の2点二塁打を右中間に運ばれた。

 「すごく大事な場面で使ってもらったのに、本当に申し訳ない」。新型コロナに感染し、6月19日以来となった1軍マウンド。今季は初回の失点がなく、立ち上がりを得意とするベテランも、救援は勝手が違った。勝負手がはまらなかった藤本監督は「流れやね。向こうは比嘉が出てきて3者連続三振。その後やからね。和田は一番厳しいところでいっているからね。使ったこっちが悪いんですけど」と肩を落とすしかなかった。

 平野佳を欠いたうえに、疲労蓄積の阿部もベンチから外したオリックスは、7回に山崎福、9回はワゲスパックと先発要員を惜しげもなくつぎ込んだ。5月13日時点で借金は最大7だったが、貯金1で前半戦をターン。中嶋監督は「(ソフトバンクが)はるか上にいたような感じだったので、全然、混戦という気がしないんですよ」。その言葉も本音だろうが、ソフトバンクと互角のチーム力を再認識する一戦になったはず。両者の直接対決は9勝8敗でオリックスが一歩リード。昨季の覇者と一昨年まで4年連続日本一のタレント集団が、秋までしのぎを削りそうだ。(表 洋介)

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