【オリックス】宮城大弥、由伸先輩の背番号18背負い開幕戦へ「大きな背中を見せていきます」…独占コラム「一生百錬」

スポーツ報知

2025.3.28(金) 08:00

キャッチボールを行う宮城大弥(カメラ・渡辺 了文)

 オリックス・宮城大弥投手(23)が、28日の楽天戦(京セラD)で2年連続の開幕投手を務める。新人時代から尊敬しているドジャース・山本由伸投手(26)の背番号「18」を受け継ぎ「シーズンが始まれば、必ず重みを感じる」と覚悟を決めた左腕。スポーツ報知の独占コラム「一生百錬」でV奪回を誓い、絶対的エースになるための条件などをつづった。

 いよいよ、2025年のシーズンが開幕します。僕自身が希望し、今年から山本由伸さんの18番を受け継がせていただきました。シーズンが始まれば必ず、重みやプレッシャーを感じます。でも、それを乗り越えれば、もっといい投手になれると信じています。そのためにも、18番をつけさせていただきましたので。言葉や行動はもちろん、結果で示していく一年にします。

 昨年を振り返れば、仙台の最終戦(※1)が印象に残っています。試合に勝っているのに、なぜか僕一人が泣いています。時間がたって考えれば、何か面白いですよね…。負けて、悔しくて泣くことはたくさん経験してきましたけど、あの場面で涙が出たのは自分でも驚きました。とはいえ、規定投球回にも、タイトルにも手が届かなかったことは事実です。どこか、甘かったのだと思います。

 あと1イニング、どこかで投げていれば。どこかで球数を減らしていれば。打者と勝負できるところで、焦らず投げていれば。そういう「たら、れば」が招いた結果だと受け止めています。「たら、れば」を完全になくすことはできないですけど、減らすことは絶対にできます。自分がどう変化しているのか?を主観的にも客観的にも見ながら、この日の開幕を迎えることができました。

 目標を聞かれると、必ず「けがをしないこと」と答えてきました。昨年は投げられなくて(※2)どうしようもできない日が続いたからです。けがをした当初は1、2イニングだけ1軍の試合を見て、すぐにチャンネルを替えていました。野球がしたくなる欲や焦りをなくすためでした。あんな経験はしたくないですし、言霊的な意味も込めて、です。由伸さんが抜けて「自分がやらなきゃ!」と。ちょっと空回りした去年を反省して、少しは大人になったかな…と実感しています。

 僕を含めて今、みんながもがいている途中だと思います。言い方は厳しくなるかもしれませんけど、一人一人がやるべきことをやらなければいけません。投手で言えば、キャッチボールです。ただ投げるのではなく、バランスや感覚、タイミングを意識して投げているのか。そういう積み重ねは、試合に出ます。個人個人がしっかりと考えて取り組めば、絶対に強いオリックスになります。素晴らしい選手が多くいて、実際に3連覇も達成できたわけですから。

 プロ入りし、6年目を迎えます。まだまだ若手の気持ちです。同学年の佐々木朗希は、由伸さんと同じドジャースでプレーをしています。「開幕2戦目に投げるのかな?」とずっと予想をしていて、時差もあるので連絡は控えていました。頑張っているな、気合が入っているな、と思いながら、テレビを見ていました。朗希は結婚もしたので、夫婦仲良くやってほしいなと応援しています。

 僕はあまり話すことが得意ではありません。普段は言えない言葉や感情、その時々の考え、行動。いつも応援してくれる人に、少しでも文章で伝えられればと思っています。昨年11月に「開幕投手、いくから。頼んだぞ」と託してくれた岸田(護)監督。岸田監督に呼ばれた時は「何か、やらかしたのかな?」と緊張しましたけど、あの瞬間に気持ちが引き締まりました。勝ちたい、優勝したい、という気持ちは、どんな時も同じです。僕が一番にやるべきなのはやはり、結果で頑張ること。あまり身長が高くないので、大きな背中を見せていきます。(宮城 大弥)

 (※1)24年10月6日に行われた楽天との今季最終戦(楽天モバイル)に先発し、7回表1死で試合が中断。そのまま降雨コールドとなった。宮城は6回1失点で7勝目(9敗)。4年連続となる規定投球回まで1回1/3足りず、最優秀防御率のタイトルもあと2回1/3を自責0なら獲得していた。試合は8―1で勝利したが、ベンチで悔し涙。試合後に中嶋聡監督が辞任を表明した。

 (※2)24年5月8日の楽天戦(秋田)で宮城は4回3失点で降板。左大胸筋の筋損傷で、翌9日に出場選手登録を抹消された。6月27日のソフトバンク戦(京セラD)で1軍復帰。プロ5年目で初めて7勝9敗と負け越し、4年連続の規定投球回を逃す要因にもなった。

 〇…宮城はこの日、リベンジ快投を誓った。京セラDで最終調整。自身初の大役を務めた昨年3月29日のソフトバンク戦では6回1/3を3失点で敗戦投手。「勝ちにこだわってやりたい」。この日は、少し短くなったヘアスタイルも披露し、「『切れ』という声がたくさんあったので」と照れた。先発起用が見込まれる楽天のドラフト1位・宗山に対しても「すごくいいバッターだと思うので、負けないように頑張りたい」と真っ向勝負の構えだ。

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