今季、開幕から先発ローテーションを守り最後まで投げ抜いた、埼玉西武の野上投手。勝利数ランキングではリーグ7位タイの11勝、同9位の防御率3.63という好成績を残し、4年ぶりとなるチームのAクラス入りに大きく貢献した。
鹿児島・神村学園のエースとして、2005年、春の選抜で準優勝投手となった野上投手は、日産自動車を経て2008年のドラフト2位で埼玉西武に入団する。1年目から7試合の先発を含む25試合に登板し、3勝5敗3ホールド1セーブという成績。防御率は4.45ながら、社会人出身らしくあらゆる起用に応えて一軍の戦力となった。
その後2011年までは主に中継ぎを務めていた野上投手だが、2012年からは先発としての登板機会も増えていく。同年途中に先発ローテーション入りを果たして8勝5敗、防御率2.97と結果を残すと、翌年にはチーム最多タイとなる11勝を挙げた。
しかし、2014年から昨季までは安定感を欠き、貯金を作ることができず。シーズン途中で何度も中継ぎを経験するなど、なかなか自身の立場を確立できなかった。そんな中で迎えた2017年だったが、開幕から先発陣の一角として好投を続ける。
今季は24試合に先発登板し、そのうち5回を投げ切ることができなかったのはわずか3度。安定した投球でチームの躍進を支え、9月23日のオリックス戦では4年ぶりの2桁到達となる10勝目を、自身初の完封勝利で飾った。
レギュラーシーズン最後の登板となった10月1日の北海道日本ハム戦でも、8回を無失点に抑える好投で自己最多タイの11勝をマーク。24試合11勝10敗、144回、113奪三振、防御率3.63という成績で、今シーズンを締めくくった。
猛烈な追い上げも及ばず、レギュラーシーズンを2位で終えた埼玉西武だが、これからは「2017 ローソンチケット クライマックスシリーズ パ」での激戦が待ち受けている。プロ9年目、ついに殻を破って一本立ちした野上投手。ポストシーズンのまっさらなマウンドで、今季の集大成となる投球を見せてくれるか、注目だ。
記事提供: