【試合戦評】オリックスが最大5点差をひっくり返し、劇的逆転勝利。吉田正選手とマレーロ選手の殊勲打で乱打戦を制す。

パ・リーグ インサイト

2017.9.30(土) 00:00

昨日の千葉ロッテ戦では、T-岡田選手とマレーロ選手の一発攻勢で着実に得点し、投げては吉田一投手が自身初の完封勝利を挙げるなど、投打がきっちり噛み合ったオリックス。今日は移動日なしで本拠地・京セラドーム大阪に戻り、福岡ソフトバンクを迎え撃つ。

オリックスの先発は山岡投手。打線の中では、昨日公式戦通算10万号を放ったマレーロ選手に期待がかかる。9月13日の福岡ソフトバンク戦では3打席連続本塁打を放つなど、今日の相手先発のバンデンハーク投手とは相性が良い。今日もその打棒で山岡投手を援護したい。

一方、福岡ソフトバンクはキャプテン・内川選手が一軍に復帰した。左親指骨折で約2カ月戦列を離れていたが、復帰後即5番・一塁でスタメン出場。リーグ優勝決定後、3勝6敗と波に乗れていないチームにとって、ここで内川選手が復帰することの意味は大きい。「2017 ローソンチケット クライマックスシリーズ パ」へ向け、調子を落とし気味のチームを上昇気流に乗せてほしい。

試合は初回から動きを見せる。1死から2番・今宮選手がフェンス直撃の三塁打で出塁すると、続く中村晃選手が高めの直球を右翼前に運び、福岡ソフトバンクがあっという間に先制点を奪う。しかし直後の1回裏、先頭のT-岡田選手の二塁打と内野ゴロなどでオリックスが得点。すぐさま同点となり、1対1で1回の攻防は終了する。

2回表、四球と犠打が絡み、福岡ソフトバンクは1死2塁の好機を作る。2死から迎えるは9番・高谷選手。フルカウントから外角のシュートを逆らわず中翼前へはじき返すと、2塁走者が一気に生還。高谷選手はオーバーランにより、1塁へ戻ることができずタッチアウトとなったが、福岡ソフトバンクが勝ち越しに成功する。さらに、3回表には2死1,2塁から5番・内川選手が変化球をうまく捉え、左中間への適時打。頼れるキャプテンが復帰後すぐに結果を出し、福岡ソフトバンクが3対1とリードを広げる。

このまま福岡ソフトバンクが試合の主導権を手にするかと思われたが、オリックスも食らい付いていく。3回裏、2死から2番・大城選手の安打と盗塁などで2死2塁とすると、続く吉田正選手が変化球に上手くタイミングを合わせ、右翼前へ運ぶ。その間に2塁走者が生還し、福岡ソフトバンクに1点差に詰め寄った。

しかし5回表、先頭の明石選手が死球で出塁すると、続く今宮選手が犠打で得点圏に走者を進める。3番・中村晃選手が四球を選び、1死1,2塁の好機で迎えるは4番・デスパイネ選手。初球の低めの変化球を中翼前へはじき返すと、2塁走者の明石選手が一気に生還する。犠飛と6番・上林選手の適時打でも追加点を挙げ、スコアは6対2。福岡ソフトバンクがリードを4点に広げた。

6回表にも福岡ソフトバンクが1点を追加したが、その裏、先頭のマレーロ選手が打った瞬間それと分かる特大の第20号ソロを放つ。バンデンハーク投手との相性の良さを発揮して1点を返し、さらに7回裏に押し出しでも追加点。スコアは7対4となり、オリックスがじわじわと点差を詰めていく。

3点を追うオリックスは、8回裏、猛反撃を開始する。先頭の中島選手が猛打賞となる中安打を放つと、1死から8番・宗選手も二遊間を破り、1死1,2塁と一打同点の好機を迎える。ここで代打・杉本選手が追い込まれながらも上手くカーブにタイミングを合わせ、フェンス直撃の適時二塁打。点差を2点に縮め、さらにT-岡田選手の四球などで2死満塁の状況となる。

この場面で、本日3打点を稼いでいる3番・吉田正選手が打席に立つ。フルカウントからファウルで2球粘った末、福岡ソフトバンクの森投手の8球目を捉え、値千金の同点適時打。最大5点差を追い付くと、続くマレーロ選手も走者一掃の適時二塁打を放ち、勝ち越しに成功。この回一挙5点を加え、オリックスが劇的に試合をひっくり返した。

最終回はオリックスの守護神・平野投手が3者凡退で抑え、試合は9対7でオリックスが逆転勝利を収めた。序盤は、福岡ソフトバンクが優位に試合を進めていたものの、8回裏、杉本選手や宗選手などフレッシュな面々が諦めずにつないで、一気に流れを引き寄せた。

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