プロ初セーブをマークも「納得できる数字を出して、納得できるお金をもらっているわけではない」
北海道日本ハムの井口和朋投手が29日、札幌の球団事務所で契約更改交渉に臨み、500万円増の年俸2050万円でサインした(金額は推定)。
プロ3年目の今季は31試合に登板して1勝1敗7ホールド1セーブ、防御率2.48の成績を残した。開幕直後に不調に陥り、夏場には右肩を痛めたため、登板数こそルーキーイヤーの37試合に届かなかったものの、勝っている場面での登板機会が増え、プロ初セーブも挙げた。
それでも満足している様子は全くない。自分へのご褒美について質問されると「自分で納得できる数字を出して、納得できるお金をもらっているわけではないので。ご褒美を買うなら、来年自分がしっかり1年間活躍して納得できる数字を残して初めて考えてみようかなと思います」と冷静に話した。
今季は勝ちパターンを任され、これまでにない充実感を味わったシーズンでもあった。「難しい場所を任せてもらって、そこを抑えて帰ってくる、それを続けることが中継ぎをやっていて充実を感じるところ」と話す。
印象に残っている試合として挙げたのは6月22日東北楽天戦だ。延長12回表に1点勝ち越した直後の12回裏に登板し、3者三振斬りした。「長い試合でしたし、1試合みんな頑張って戦っている中で、勝っている状況で最後のマウンド任せてもらったので、なんとしても抑えたいという気持ちがすごくありましたし、そこをしっかり抑えられたことは自分の中でも自信にはつながったのではないかと思います」とプロ初セーブを挙げた場面を振り返った。
来季目指すのは、もちろん勝利の方程式入りだ。「そういうところで投げてナンボだと思っているので、貪欲に難しいポジション、いいポジションを狙って行きたいです」と力を込める。
そのための課題として挙げたのは、故障せずに1年間1軍で高いパフォーマンスを発揮し続ける力。「まだ1年間しっかり戦い抜くことができていないので、まずはそこを第一の目標にして、その中で自分のパフォーマンスを1試合1試合集中してできるか意識しながらやりたいと思います」と語る。
具体的な目標の数字については明確に定めていないが「1年間1軍でしっかり戦えたら少なからず50(試合登板)はいくと思いますし、今年のペースなら60(試合登板)とかもいくと思う。ホールドも今年は10いかなかったので、少なからず超えたいかな」とイメージをふくらませる。
来季は、今季手応えを感じた直球をさらにパワーアップさせる。「強い真っ直ぐを投げられている時は甘く行ってもファウルになりますし、低めにいった変化球で空振りを取れる。強い真っ直ぐと低めの変化球をさらにレベルアップして来年につなげていきたいと思います」と意気込んだ。
(石川加奈子 / Kanako Ishikawa)
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