前半戦の活躍が認められ、来季から2年契約
オリックスでの1シーズン目を終え、帰国中のカナダ出身左腕アンドリュー・アルバース投手が、地元ラジオ局「スポーツネット」の番組に出演。日本の野球事情や、大阪での生活について語った。
NPB1年目、アルバースは9勝2敗、防御率3.08の成績をマーク。2桁勝利にこそ届かなかったものの、変化球をコーナーに散らし打たせて取る老かいなピッチングを見せ、オリックスの先発投手陣を支えた。
7月にはオールスターゲームにも出場したが、8月に腰を痛めて戦線離脱。復帰できないままシーズンを終えたが、球団はそれまでの投球内容と真面目な性格を評価して来季からの2年契約を結んだ。本人もホッとした様子で語った。
「来季プレーするチームが決まっていなくて、健康面で不安があると思われる可能性がありました。幸運なことに、契約を延長することができ、来季プレーするチームが決まっていることには少し安心感がありますが、それに甘んじてはいません。オフに可能な限りベストな状態になれるようにし、この球団の一員として成功に貢献したいです。この先数年このチームでプレーすると分かっているので、どのような形でも貢献したいです」
アルバースは2014年、韓国のハンファ・イーグルスに1シーズンだけ在籍したことがある。アジアの野球を経験していたことは、今回の日本行きにも役に立ったという。
「新しいチームに行く時は、いつでも難しいです。今までプレーしたことのない国に行く時は特にです。2014年に韓国でプレーしたことが大変役立っています。そのシーズンはうまくいきませんでしたが、簡単に思えることが、外国では簡単ではないということを知ることができました。捕手とのコミュニケーション、コーチとのコミュニケーションもです」
同じカナダ出身の選手、特に2013年のワールド・ベースボール・クラシック(WBC)カナダ代表でチームメートだった巨人・マシソンと情報交換をしたことも、早いうちにNPBに慣れることができた要因だ。
「できる限り(日本、NPBの)情報が欲しかったんです。間違いなく、マシソンはかなり助けになってくれました。一緒にランチを食べたりしました。彼がいろいろと教えてくれたので、心構えができました」
相手の対策を上回る対策「自分の強みを信頼」
NPBとMLBの大きな違いは、球団数が少ない(NPB12球団、MLB30球団)ため、同じ相手と何度も対戦することにになるところ。しかし、アルバースはそれがNPBの面白さだという。
「対策が必要になるんです。相手も対策してきますから、こちらもまた対策しなければなりません。同じ選手と何度も対戦するので、10回中8回アウトにしていたとしても、注意しなければなりません。それでも、自分の強みを信頼しなければなりません。ここまでの実績は、その強みによるものだからです。今まで上手くいっていたことから離れ過ぎず、対応することが必要です」
NPBからMLBに行った二刀流の大谷翔平(エンゼルス)は、NPBに比べ多様なチーム、選手と対戦することになったが、そこで非凡な修正能力を見せ結果を出した。アルバースはその逆で、同じ相手と何度も対戦することで、相手の対策をさらに上回るうまさを見せた。日本、韓国を含め、MLB、マイナーリーグなどを渡り歩き、オリックスが9球団目の在籍。“ジャーニーマン”の真価を、日本で発揮した。
(Full-Count編集部)
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