通算465本塁打のウィンフィールド氏は打者大谷を高評価
今季、ベーブ・ルース以来100年ぶりとなる本格的な二刀流挑戦で全米を沸かせ、ア・リーグ新人王に輝いたエンゼルスの大谷翔平投手。右肘靱帯を損傷し、戦列を離れることもあったが、投手としては10試合で4勝2敗、防御率3.31、打者としては104試合で打率.285、22本塁打、61打点の成績を残し、見事初タイトルを獲得した。シーズン終了翌日の10月1日に右肘靱帯再建手術(トミー・ジョン手術)を受けたため、来季は打者に専念し、投手としては2020年の復帰を目指す24歳に「また投打での活躍を願っている」とエールを送るのは、通算465本塁打を誇る殿堂打者デーブ・ウィンフィールド氏だ。
現在、MLB選手会の役員を務めるウィンフィールド氏は「2018日米野球」で来日。Full-Countの単独インタビューに応じ、メジャー1年目で全米に大きな衝撃を与えた大谷を「エキサイティングな選手」と称えた。
パドレス、ヤンキースなどで送った22年の現役生活では、走攻守3拍子揃った外野手として活躍。通算3110安打、465本塁打、1833打点、223盗塁という輝かしい成績を残した。球宴には12度選出され、ゴールドグラブ賞7度、シルバースラッガー賞6度の受賞歴を残り、2001年に殿堂入りを果たした。
ミネソタ大学時代は投打の二刀流として活躍。NBAやNFLのドラフトでも指名されたほどのスーパーアスリートとして全米に名を轟かせたが、1973年ドラフト1巡目(全体4位)でパドレスに入団した。入団後は投手としてのキャリアを諦め、野手に専念。「当時はどちらかを選ばなければならない時代だった」と振り返る。
二刀流の長い活躍願うも「メジャーはそんなに甘い場所ではない」
プロ入り後に投打の二刀流を断念した経験を持つからこそ、大谷のチャレンジには誰よりも大きな興味を持って注目していた。「投げれば100マイル(約161キロ)以上の剛速球を投げるし、打てば広角に打球が飛ばせる上にパワーもある。足も速いね。正直、あそこまでできるとは思わなかった」と驚きを隠せない。
右肘を手術した大谷に対し「また投打での活躍を願っている」とは言いながらも、将来的には打者に専念することを勧めたいようだ。
「彼が持つ打者としての才能は素晴らしい。私は、投手以上に打者として成功すると思っているんだ。もちろん、できるだけ長く、投打の二刀流を続けてほしい。でも、人は年を取るし、メジャーはそんなに甘い場所ではない。いつかどちらかに専念しなければならない日も来るだろう。その時、私は打者としての彼を見続けたい。だからこそ、来年はどんな成績を残すのか、今から楽しみなんだ」
世が世なら、ウィンフィールド氏自身も二刀流を続ける選択をしていたかもしれない。だが、打者に専念する道を選び、球史に残る素晴らしい成績を残す存在となった。今後、大谷が二刀流としてキャリアを全うするのか、あるいは投打のどちらかを選ぶ日が来るのか、それは誰にも分からない。だが、ウィンフィールド氏をはじめとする多くの人が、1日でも長く二刀流の活躍を見続けたいと願うことは間違いなさそうだ。
(Full-Count編集部)
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