【試合戦評】酒居投手が今季2度目の完投勝利。女房役の吉田選手の勝ち越し弾で、千葉ロッテが投手戦を制す。

パ・リーグ インサイト

2017.9.20(水) 00:00

リーグ2位死守に向けて負けられない戦いが続く埼玉西武。昨日は悔しい敗戦となっただけに、今日は何としても勝利し、カード勝ち越しを決めたいところ。先発のマウンドには十亀投手が上がる。前回登板で白星を挙げているだけに、今日も持ち前の気迫十分の投球で勝利を手繰り寄せたい。

対する千葉ロッテの先発は酒居投手だ。前回登板の福岡ソフトバンク戦では6回6失点と精彩を欠いた。今日の試合では本来の投球を見せられるか。

試合は1回表からいきなり動きを見せる。先頭の加藤選手が安打で出塁し、盗塁を決めると、1死2塁から3番・鈴木選手が先制の適時打。頼れるキャプテンの一打で、千葉ロッテが幸先良く1点を先取した。

埼玉西武もすぐさま反撃に出る。2回裏、先頭の山川選手が高めの直球をフルスイングすると、打球は大きな放物線を描いて左翼席中段に突き刺さる同点の19号ソロとなった。頼れる4番の一振りで、埼玉西武が試合をすぐさま振り出しに戻した。

初回に先制を許した十亀投手であったが、以降は走者を背負いながらも勝ち越しを許さない粘りの投球。一方の酒居投手も、得点圏に走者を許しながらも落ち着いて後続を断つ。3回以降はスコアボードに0が並び、試合は両投手によって引き締まった展開を見せた。

試合の均衡が破れたのは7回表だった。1死から7番・肘井選手が安打で出塁し、2死1塁から9番・吉田選手が低めの変化球を振り抜くと、打球は左翼席に飛び込む勝ち越しの3号2ランとなる。「体が上手く反応してくれました。当たりは完璧でした。酒居が頑張っているので勝ち越せて良かった」と振り返る女房役の一発で、スコアは3対1。千葉ロッテが2点リードを握ることに成功した。

何とか反撃したい埼玉西武打線だったが、回を追うごとに調子を上げる酒居投手の前に得点できず。9回裏のマウンドには酒居投手が上がる。落ち着いて3者凡退に抑え、試合は3対1で千葉ロッテが埼玉西武に勝利し、カード勝ち越しを決めた。

先発の酒居投手は被安打4、奪三振5、与四球1、失点1で今季2度目の完投勝利。ルーキーらしからぬ安定感で強力埼玉西武打線を封じ込めた。この勝利は、来季以降の千葉ロッテ投手陣に大きな希望を与えたことだろう。敗れた埼玉西武は、打線がつながりに欠け、好投の十亀投手を援護できなかった。

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