福岡ソフトバンク柳田悠岐、広島丸佳浩、鈴木誠也が圧倒! RC27で見る“得点能力”ランキング

Full-Count 広尾晃

2018.11.11(日) 10:18

広島・丸佳浩と福岡ソフトバンク・柳田悠岐※写真提供:Full-Count(写真:荒川祐史)
広島・丸佳浩と福岡ソフトバンク・柳田悠岐※写真提供:Full-Count(写真:荒川祐史)

パ・リーグは柳田が唯一の10点台と好数値をたたき出す

 セイバーメトリクスにRC27という指標がある。これは安打、長打、盗塁、盗塁死、四死球、三振、犠打、犠飛というオフェンス面の数字を加味し、打者の得点能力をみるものだ。

 1人の打者が1試合打席に立ち続けて27回アウトになる前に、何点取れるかという数字だ。5.0前後が標準、6.0で強打者、9.0あればMVP級となる。この指標は積み上げ型ではなく、打率や出塁率と同様、その選手のポテンシャルを示している。

両リーグ100打席以上の選手のRC27ランキングを見ていこう。

パ・リーグ 15傑

1柳田悠岐(ソ)10.41(130試475打167安36本102点21盗 率.352)
2山川穂高(西)8.54(143試541打152安47本124点0盗 率.281)
3吉田正尚(オ)8.27(143試514打165安26本86点3盗 率.321)
4秋山翔吾(西)8.16(143試603打195安24本82点15盗 率.323)
5近藤健介(日)7.43(129試462打149安9本69点5盗 率.323)
6浅村栄斗(西)7.05(143試565打175安32本127点4盗 率.310)
7井上晴哉(ロ)6.99(133試476打139安24本99点1盗 率.292)
8西川遥輝(日)6.88(140試528打147安10本48点44盗 率.278)
9アマダー(楽)6.40(62試212打57安20本42点1盗 率.269)
10森友哉(西)6.38(136試473打130安16本80点7盗 率.275)
11中村晃(ソ)6.12(136試506打148安14本57点1盗 率.292)
12中村剛也(西)5.97(97試355打94安28本74点1盗 率.265)
13外崎修汰(西)5.94(119試453打130安18本67点25盗 率.287)
14長谷川勇也(ソ)5.93(55試101打29安5本20点0盗 率.287)
15明石健志(ソ)5.80(45試103打29安1本12点2盗 率.282)

 パで最も得点能力が高かったのは首位打者の柳田悠岐。1人10点を越えている。本塁打王の山川とはかなり差がある。本塁打数は少ないが、打率が高い上に盗塁も多い。上位には規定打席に到達した各球団の主力級が並んでいるが、9位に薬物問題で出場停止となったアマダーが入っている。

 東北楽天には4人の外国人打者がいたが、最も生産性が高かったアマダーの離脱はチームにとって大きな痛手だ。15位までには福岡ソフトバンクの控え選手が2人いる。元首位打者の長谷川と明石。この2人は、出場機会は少なかったが、試合に出れば主力級の働きをしたことがわかる。こうしたレギュラークラスの実力がある控え選手がいることも、福岡ソフトバンクの強みになっている。

セ・リーグは10点超えは広島丸、鈴木の2人

セ・リーグ

1丸佳浩(広)10.61(125試432打132安39本97点10盗 率.306)
2鈴木誠也(広)10.16(124試422打135安30本94点4盗 率.320)
3山田哲人(ヤ)9.69(140試524打165安34本89点33盗 率.315)
4坂本勇人(巨)8.83(109試441打152安18本67点8盗 率.345)
5ソト(De)8.39(107試416打129安41本95点0盗 率.310)
6筒香嘉智(De)8.33(139試495打146安38本89点0盗 率.295)
7糸井嘉男(神)7.95(119試419打129安16本68点22盗 率.308)
8ビシエド(中)7.91(135試512打178安26本99点3盗 率.348)
9岡本和真(巨)7.77(143試540打167安33本100点2盗 率.309)
10會澤翼(広)7.27(106試315打96安13本42点0盗 率.305)
11青木宣親(ヤ)7.18(127試495打162安10本67点3盗 率.327)
12平田良介(中)7.16(138試493打162安9本55点8盗 率.329)
13大引啓次(ヤ)6.96(47試123打43安5本15点0盗 率.350)
14宮崎敏郎(De)6.8(142試551打175安28本71点0盗 率.318)
15バレンティン(ヤ)6.74(142試514打138安38本131点1盗 率.268)

 広島の丸と鈴木が10点超え。この2人はMVP候補だが、甲乙つけがたい成績だったことがわかる。トリプルスリーの東京ヤクルトの山田は3位。10位には広島の捕手、會澤が。規定打席以下だがRC27はクリーンナップ並みの7点台。打線で脅威になっていたことがわかる。

 東京ヤクルトの大引は「守備の人」という印象が強いが、今季は打率.350、5本塁打。47試合の出場にとどまったが、得点圏打率.320、代打では5打数3安打。手ごわい存在だった。若手野手が台頭しつつある東京ヤクルトにあって、大引はグラブだけでなくバットでも存在感を示して、生き残りを図っているのだ。

 RC27は、打者の長所を見るうえで有効な指標だといえる。今後もこのデータを注目していきたい。

(広尾晃 / Koh Hiroo)

記事提供:Full-Count

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