【MLB】ケン・グリフィーJr.と重なるスイング&打球 大谷翔平を見続けた米解説者が振り返る衝撃

Full-Count

2018.11.6(火) 17:07

エンゼルス・大谷翔平※写真提供:Full-Count(写真:Getty Images)
エンゼルス・大谷翔平※写真提供:Full-Count(写真:Getty Images)

解説者のグビザ氏が回顧、本塁打王+盗塁王+最優秀防御率&ノーヒッター=大谷翔平

 エンゼルスの大谷翔平投手はメジャー移籍1年目の今季、投打二刀流で米国に衝撃を与えた。エンゼルスの地元テレビ局の中継解説者を務めるマーク・グビザ氏は、偉大な選手たちと大谷を重ね合わせていたという。

 DAZNではオフの新番組「Home of Baseball」の配信を2日から開始。第1回はエンゼルス・大谷翔平の特集で、投手編(2日から)、野手編(9日から)に分けてルーキーイヤーを様々な角度から分析している。日米通算2148安打、484本塁打のアンドリュー・ジョーンズ氏、エンゼルスOBで現在はオリックスのシニアアドバイザーを務める長谷川滋利氏、元レイズ(デビルレイズ)の岩村明憲氏らが登場する中、MLB132勝のマーク・グビザ氏がこの1年を振り返り、大谷の魅力を語り尽くしている。大谷を見ていると、メジャーでプレーした様々な選手を思い出すというのだ。

 グビザ氏は、打者としての大谷が似ている選手として、マリナーズでイチローともプレーしたケン・グリフィーJr.を挙げる。「スイングの軌道が似ているし、打球の飛び方が似ている。パワーも非常にあるし、ヒットを量産する力もあります」。力感というよりはスムーズに、滑らかに軽いタッチでスイングするのに、驚くほどの飛距離が出るのがグリフィーの打撃の特徴。「MLB史上もっとも美しいスイング」と呼ばれ、ナイキの野球用品のロゴにまで使われたほどだ。殿堂入りの投票の際、史上最高99.3%の得票を記録した伝説の強打者をほうふつとさせる美しいスイング、美しいアーチを、大谷も今年22回描いた。

 足の速さでは、グビザ氏が現役時代にロイヤルズでともにプレーしたウィリー・ウィルソンの名が出た。通算668盗塁のMLB歴代12位の記録を持ち、1979年には83盗塁で盗塁王にもなっているスピードスターだ。「オオタニが本塁、一塁から三塁に到達するまでの走り方は、まさにウィルソンと同じです。ウィルソンは、メジャーでオールスターにも複数回出たほどの選手です。とても優れた選手だった。オオタニのベースランニングでのスピードを見て、本当に驚きました」と振り返った。

 投手としては、やはりグビザ氏と同じ80年代に活躍したメジャー176勝、最優秀防御率のタイトル獲得、ノーヒットノーランも達成したデーブ・スティーブ氏のスライダーをほうふつとさせるという。「スティーブは素晴らしいスライダーの持ち主。ウィッフルボール(米国で考案された、野球によく似たスポーツ。中空のプラスチックボールを使い、空気抵抗で野球のボールより大きく変化する)のような曲がり方をしました。そういうスライダーは、スプリッターよりいいボールだと言えると思います」と、スプリットよりスライダーの方がより決め球として優秀なボールだと断言した。

地元テレビ局の中継解説者を務めるマーク・グビザ氏※写真提供:Full-Count(写真提供:DAZN「Home of Baseball」)
地元テレビ局の中継解説者を務めるマーク・グビザ氏※写真提供:Full-Count(写真提供:DAZN「Home of Baseball」)

大谷はメジャーリーグに「二刀流の時代」を切り開くパイオニア

 本塁打王+盗塁王+最優秀防御率&ノーヒッターの力を併せ持つ大谷の才能は、全米から尊敬の念で見られるようになっているとグビザ氏は言う。「どんなスポーツでもトレンドがあります。野球界では、オオタニに触発されて二刀流でプレーする選手が増えました。その方がロースター入りする可能性が高くなるからです」。この流れがMLB、そしてMLBを目指す選手にもたらすメリットを、グビザ氏はこう解説する。「メジャーのロースターは25人だけです。もしチームに両方できる選手がいたら、その分、投手か野手が増えることになります。その意味で、オオタニは野球界のトレンドの先駆けということです」

 日本でもそうだが、少年野球~高校野球あたりまでは、運動能力の高い選手は投手も打撃も非凡な「エースで4番」が当たり前。「私も高校時代、両方やっていました。でも投手としてドラフト指名されてからは投手だけになった。オオタニは、すばらしいことにそのバリアを壊しました。実際にオオタニだけではなくて、最近ドラフト指名された選手には、二刀流の選手が多くいます。オオタニは彼らの道を切り拓くことになると思います」。野茂英雄は日本人メジャーリーガーとしてのパイオニアになったが、大谷は投げて、打っての二刀流の時代を切り拓くパイオニアとなる可能性を秘めている。

 エンゼルス移籍後は、投手とDHでしかプレーしていないが、日本ハムでのキャリア序盤は強肩の外野手だった時期もある。「そのうち、外野でも一塁でも構わないが守備も見てみたいと思います。オオタニは優れた選手ですから、守備も見て楽しいと思います」とグビザ氏は「野手・大谷翔平」にも太鼓判を押した。

(Full-Count編集部)

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