ベストナインを予想する 埼玉西武勢6人受賞の可能性、鷹・柳田悠岐も確実【パ編】

Full-Count 広尾晃

2018.11.6(火) 11:32

埼玉西武・浅村栄斗※写真提供:Full-Count(写真:荒川祐史)
埼玉西武・浅村栄斗※写真提供:Full-Count(写真:荒川祐史)

成績と同時に出場試合数、打席数も大きな選出要素

 MVPとともに発表されるのがベストナインだ。今季パ・リーグのベストナイン候補を、個人成績と照らし合わせながら見ていこう。

 ベストナインはMVP同様に記者投票で決まるが、これまでの受賞者を見ると、一定の法則性がありそうだ。

1.投手を除いて、そのポジションで最も打撃成績がいい選手が選出されることが多い。
2.成績が同程度なら、出場試合数、打席数が多い選手が選出されることが多い。
3.投手は最も成績がいい先発投手が選出される。

 守備成績がいい選手にはゴールデングラブ賞が贈られるため、野手のベストナインは主として打撃成績で評価される。このため、MLBでいう「シルバースラッガー賞」に相当する言えそうだ。

 各ポジションのRC上位3人を選出した。RC(Run Create)は、打者の総合指標で、安打、長打、四死球、盗塁、犠打、犠飛を加味して算出した数値。試合数は、トータルの試合数/そのポジションでの出場試合数となっている。

本塁打王・山川、打点王・浅村は当確、外野3人目は西川と吉田正の争い

【一塁手】
山川穂高(西)率.281 RC125.21
143/142試 541打152安47本124点0盗

井上晴哉(ロ)率.292 RC90.6
133/125試 476打139安24本99点1盗

中田 翔(日)率.265 RC73.92
140/131試 540打143安25本106点0盗

 今年のパの一塁手は、100打点前後の選手が3人とレベルが高かったが、初本塁打王の埼玉西武山川で決まりだろう。

【二塁手】
浅村栄斗(西)率.310 RC108.3
143/142試 565打175安32本127点4盗

中村奨吾(ロ)率.284 RC87.01
143/143試 552打157安8本57点39盗

福田周平(オ)率.264 RC36.14
113/102試 295打78安1本15点16盗

 こちらも2度目の打点王に輝いた埼玉西武浅村で決まりか。千葉ロッテ中村は全試合で二塁を守ったが、成績的にとても届かない。

【三塁手】
松田宣浩(ソ)率.248 RC79.63
143/143試 517打128安32本82点3盗

鈴木大地(ロ)率.266 RC68.09
143/138試 477打127安8本49点8盗

レアード(日)率.233 RC61.33
120/118試 450打105安26本65点0盗

 三塁手は各球団とも成績が振るわなかった。32本塁打の福岡ソフトバンク松田が本命だろうが、打率.250に届かなかったのは物足りない。受賞すれば松田は初。

【遊撃手】
源田壮亮(西)率.278 RC80.29
143/143試 594打165安4本57点34盗

今宮健太(ソ)率.266 RC46.84
99/98試 354打94安11本45点5盗

藤岡裕大(ロ)率.230 RC46.54
143/143試 535打123安5本42点14盗

 埼玉西武源田がデビューから2年連続フル出場を果たす。故障で戦線離脱した福岡ソフトバンク今宮との差は大きい。千葉ロッテの藤岡は新人でフル出場したが、打撃成績では遠く及ばない。

【外野手】
秋山翔吾(西)率.323 RC127.53
143/143試 603打195安24本82点15盗

柳田悠岐(ソ)率.352 RC126.52
130/127試 475打167安36本102点21盗

吉田正尚(オ)率.321 RC112.46
143/123試 514打165安26本86点3盗

西川遥輝(日)率.278 RC100.35
140/139試 528打147安10本48点44盗

近藤健介(日)率.323 RC91.86
129/95試 462打149安9本69点5盗

上林誠知(ソ)率.270 RC87.28
143/142試 551打149安22本62点13盗

 最多安打の埼玉西武秋山、首位打者の福岡ソフトバンク柳田は当確。残る1つは今季初めて規定打席に達し、打率リーグ4位のオリックス吉田正か、あるいは盗塁王の北海道日本ハム西川か。タイトルホルダーである点を加味すると、西川ではないかと見た。そうなると、受賞者は昨年と同じ顔ぶれになる。

“甲斐キャノン”はレギュラーシーズンでは苦戦 捕手は森と田村の争いか

【捕手】
森友哉(西)率.275 RC83.91
136/81試 473打130安16本80点7盗

田村龍弘(ロ)率.239 RC40.77
143/143試 415打99安3本35点3盗

甲斐拓也(ソ)率.213 RC27.78
133/133試 314打67安7本37点2盗

 打撃成績では埼玉西武森友哉。ただし森は81試合しかマスクをかぶっていない。フル出場した千葉ロッテ田村龍弘と評価が分かれる可能性はあろう。日本シリーズMVPに輝いた福岡ソフトバンク甲斐拓也は、レギュラーシーズンの成績では届かない。

【DH】
デスパイネ(ソ)116/108試 407打97安29本74点0盗 率.238 RC65.43

 DHで80試合以上出場した選手は福岡ソフトバンクのデスパイネだけだ。

【投手】勝利数上位5人
多和田真三郎(西)
26試16勝5敗 172回2/3 防3.81

菊池雄星(西)
23試14勝4敗 163回2/3 防3.08

ボルシンガー(ロ)
20試13勝2敗 117回2/3 防3.06

千賀滉大(ソ)
22試13勝7敗 141回 防3.51

石川柊太(ソ)
42試13勝6敗 127回1/3 防3.60

 埼玉西武の多和田真三郎、菊池雄星の争いだろう。多和田は最多勝だが防御率は4点近くあり、好成績とはいいがたい。2勝差とはいえ、菊池ではないか。

◯2018年ベストナイン予想 数字は選出された場合の通算選出回数

一塁手 山川穂高(埼玉西武)初
二塁手 浅村栄斗(埼玉西武)4度目
三塁手 松田宣浩(福岡ソフトバンク)初
遊撃手 源田壮亮(埼玉西武)初
外野手 秋山翔吾(埼玉西武)3度目
外野手 柳田悠岐(福岡ソフトバンク)4度目
外野手 西川遥輝(北海道日本ハム)3度目
捕手 森友哉(埼玉西武)初
DH デスパイネ(福岡ソフトバンク)2度目
投手 菊池雄星(埼玉西武)2度目

 優勝しただけに、埼玉西武勢が6人と多数を占めることになる。実際はどうなるだろうか。

(広尾晃 / Koh Hiroo)

記事提供:Full-Count

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