柳田は打率.450も山川は打率.188「悔しいけど力不足」
今季、1度も首位を明け渡すことなくリーグ優勝を果たした埼玉西武。クライマックスシリーズ(CS)ファーストステージを勝ち上がった2位・福岡ソフトバンクを本拠地・メットライフドームで迎え撃ったが結果は2勝4敗(アドバンテージ1勝を含む)で敗退。4番としてチームを牽引した山川穂高の今シーズンもここで終わった。
「悔しいです。悔しいけど(自分の)力不足。柳田さんはあれだけ打ったので」
山川は福岡ソフトバンクの4番・柳田との差を痛感。ファイナルステージでの打撃成績は、柳田が20打数9安打の打率.450、2本塁打、8打点でMVPを獲得したのに対し、山川は16打数3安打の打率.188、2本塁打、2打点。数字の差は歴然だ。
「(自分は)大事なところで打てなかった。すべてにおいて、もう一回り大きくならないとダメ」と反省した山川。今季、4番として全試合出場し、47本塁打でタイトルを獲得しているが「今年の結果に何も満足していない。本塁打は47本打ちましたけど、歴代では47本以上打っている人ももちろんいますし、そういう人の打ち方を参考にしたり、打率も.360や.370打っている人もいるので、そういう人たちがいるってことは絶対に無理な数字じゃないと思っているので」と、高い理想を描いている。
その高みへたどり着くために、何が足りないのか。「技術だと思うので、技術を習得するには練習すること。このCSで結果を残せなかったことも、ただの練習不足だと思っています。こういう(CSのような)場面で、相手が厳しいところへ投げ込んできても、打てるはずだった、打つ術はあったと思うので、そのためにはもっと練習しないといけない」と自らに言い聞かせるように語った。
果たせなかった4番の責任「自分が情けなかったし、悔しかった」
「先発投手の球が少しでも浮き始めたら交代。シーズン中より、厳しい場面が多い気がしました」。シーズンとは違う、短期決戦での継投に戸惑いを感じながらも「でも打てる球もあったはずで、そこで打てなかった自分が情けなかったし、悔しかった」と4番の責任を果たせなかった自らを責めた。
シリーズ直前には「全力で」と語っていた山川だが「もちろん全力で戦った。全力で戦って負けた時『気持ちの差』と言われがちだと思いますが、敗戦の理由でそれを先に持ってきたくはない。気持ちでは福岡ソフトバンクに負けてるつもりはなかったし、『どうにか出塁しよう。どうにかホームランを打とう』という思いは常に持っていた。それでも大事なところで打てなかったのは技術不足」と自分に対して厳しい目を向け、現状をしっかりと受け止める。
「練習をたくさんすれば打てるようになると思うので、ここからしっかり休んで、またキャンプと日米野球があるので、個人としてはそこをめがけて、練習するしかないと思っています」と語る山川の眼差しは、決して暗いものでなかった。
4番としてチームを優勝へ導いた喜びと、CSを突破できなかった悔しさ――。今シーズンの経験を糧に、山川穂高は4番としてさらなる飛躍を目指す。
(岩国誠 / Makoto Iwakuni)
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