菊池を沈めた急先鋒の鷹・川島慶三、なぜ1番抜擢? 工藤公康監督「相手は何が嫌か」

Full-Count 福谷佑介

2018.10.18(木) 08:46

福岡ソフトバンク・川島慶三※写真提供:Full-Count(写真:藤浦一都)
福岡ソフトバンク・川島慶三※写真提供:Full-Count(写真:藤浦一都)

逆転打含む3安打3打点に指揮官「さすが」

■福岡ソフトバンク 10-4 埼玉西武(17日・メットライフ)

 福岡ソフトバンクが大きな1勝を掴んだ。17日、敵地メットライフドームで行われた「パーソル クライマックスシリーズ パ」ファイナルステージ第1戦。初回に1点を先制すると、逆転を許した直後の4回、埼玉西武先発の菊池を攻め立て、川島慶三内野手の逆転の適時打などで大量5得点を奪った。その後も着実に加点した福岡ソフトバンクは10-4で大勝。埼玉西武に与えられているアドバンテージを含み、1勝1敗のタイとした。

 1番に抜擢された川島が、チームを勝利に導いた。2打席凡退して迎えた4回の第3打席。下位打線がチャンスを作り、2死満塁で打順が巡ってきた。2ボールから、ストライクを取りにきた埼玉西武菊池のスライダーを逃さなかった。鋭い当たりは左翼線で弾み、2人の走者が生還。逆転のタイムリーになった。6回には二塁打を放ち、7回の第5打席では右前適時打。3安打3打点の大暴れだった。

 ファーストステージ3試合はいずれもベンチスタートだった川島。工藤公康監督は、コーチングスタッフは、なぜ川島をスタメン、しかも1番で起用したのだろうか?

 試合後に「さすが読みがいい。どういう球をどこに打てばいいかを分かっている」と川島を称賛した工藤公康監督は「ピッチャーにとって嫌なバッター。左に対していい成績を残しているし、相手は何が嫌かと考えた」と1番起用の意図を説明。藤本博史打撃コーチは「上林の状態もあるし、前回の対戦でも打っていたし」とした。

工藤監督から大きな信頼を寄せられる川島

 川島はチーム内では左投手キラーとして、主に左投手が先発する際に、多く二塁のスタメンに名を連ねていた。今季も右投手との打率.235に対し、左投手は.286と好成績を残している。さらに、菊池との今季の対戦成績は5打数1安打ながら、その1安打は直近、9月28日の対戦で放ったもの。いいイメージに、首脳陣が賭けた部分もある。

 とにかく工藤監督から寄せられる川島への信頼感は大きい。たとえ状態が悪くとも、1軍のメンバーからは基本的に外さない。この日の試合後も「試合に出るときは当然、ベンチにいるときも声かけをしてくれて、他の選手たちにとっても大きい存在。彼は絶対にチームに必要な選手。チームのことを1番に考えてくれる子で、私も彼に頼っているところがある。いてくれて良かったと思います」と全幅の信頼を口にした。

 その川島だが、大の悪戯っ子であることは、ホークスファンには知られているところ。直近では15日のCSファーストステージ第3戦。北海道日本ハムと1勝1敗で迎えた緊迫感溢れる一戦で、緊張感を解く衝撃のイタズラを仕掛けた。その被害者は甲斐拓也。第1打席では登場曲が、モーニング娘。の「LOVEマシーン」に変えられ、2打席目も「恋愛レボリューション21」になっていた。

 シーズン中にも度々、チームメートの登場曲をこっそりと変えてきた川島。その最大の“被害者”となってたのは甲斐だが、川島の存在がチームの雰囲気を良くしてきたことは紛れもない事実である。その川島がスタメンで大きな1勝をもたらした。ファーストステージ突破で勢いに乗って敵地に乗り込んできた福岡ソフトバンクにとって、さらに勢いづく1勝になった。

(福谷佑介 / Yusuke Fukutani)

記事提供:Full-Count

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