福岡ソフトバンク打線に警戒「短期決戦の中で試合を決めるのは長打、本塁打」
クライマックスシリーズ・ファイナルステージで福岡ソフトバンクを迎え撃つ埼玉西武。その初戦のマウンドを任されることとなった菊池雄星投手。登板前日の16日は連日のブルペン入り。24球を投げ込み最終調整を行った。
初戦のマウンドを託された左腕は「やることは全てやってきました。調整はここまで順調にきているので、特に変わったところはなく、普段通りに調整して迎えるつもりです」と語り「プロ9年目でやっとこの舞台に立てる。そういう喜びを感じながら投げたいと思いますし、最高の舞台で投げられることは幸せなことだと思うので、思う存分、自分の持っている力を出せればいいと思っています」と、自身初のファイナルステージのマウンドに向かう心境を語った。
相手はシーズン202発を記録した強打の福岡ソフトバンク。今年9月の初勝利まで、苦しめられ続けてきた相手だが「(第3戦でも)5本塁打を放っていますし、どこからでも長打の打てるチーム。短期決戦の中で試合を決めるのは長打、本塁打。そこになってくると思うので、注意していきたい」と警戒心を強めた。
「まず相手よりも自分のボールをいかに投げられるか。シーズンなどとはまた違った緊張感があると思いますが、その中で立ち上がりをどういう入り方をするのか。チームの流れ、攻撃陣の流れを作るためにも、立ち上がりは一番大事になると思います」
首脳陣は全幅の信頼を置く、辻監督「全力を出しきれば十分勝てる」
困難を乗り越えたエースに首脳陣は全幅の信頼を寄せ、初戦のマウンドへ送り出す。土肥投手コーチは「9月の勝利は大きいというのがあると思う。心情的に全然違う。状態もほぼ万全で明日を迎えられると思います」と語り、辻監督も「菊池本人が絶対勝つという気持ちで投げてくれると思いますし、彼の全力を出しきれば十分勝てると思うので、全力を出し切ることだけを考えてくれればいい」と期待を込めた。
チームの思い、そしてファンの思いを胸に初戦のマウンドに上がる。
「10年間、優勝から遠ざかって、選手と一緒に悔しい思いを共有してくれたファンの皆さんと、喜びをここで分かち合えるようにファンの皆さんの力もいただきながら頑張りたいと思います」
エース菊池の投球が、福岡ソフトバンク打線をねじ伏せ、そのままどこまでも突き進んでいくのか。そしてそのまま2本目のフラッグをつかみ取れるのか。明日の第1球目から目が離せない。
(岩国誠 / Makoto Iwakuni)
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