打線好調の福岡ソフトバンクだが「向こうも警戒してくると思う」
埼玉西武は16日、本拠地・メットライフドームにて全体練習を行った。明日から始まるクライマックスシリーズ・ファイナルステージへ向け、前日に参加の27名と合流した5名(今井・ウルフ・郭俊麟・外崎・山田)、合わせて32名が参加。それぞれ決戦へ向け、体を動かした。
練習中は普段通りに選手各々とコミュニケーションをとりながら、見て回っていた辻監督。この日はリリーバーのマーティンとじゃれ合う姿や、榎田と談笑する姿を見かけたが、その表情は穏やかなものだった。大一番に向け「いつもと変わらない。明日になれば緊張するかもわかりませんが、始まってしまえば。やはり、このメットライフドームで試合ができるということが一番大きい。今の気持ちとしては、落ち着いている感じがします」と心境を語った。
対戦相手は福岡ソフトバンク。今季、リーグ最多202本塁打を放ってきた破壊力をCSでも見せつけ、一発攻勢でファーストステージを勝ち上がってきたが「昨日の試合でもホームラン5本。ホームランは一人で1点入りますから、こういう短期決戦では流れを大きく左右するので、当然警戒しなければいけない。向こうも警戒してくるだろうし、ガチンコ勝負ができると思っています」と、今シーズン球団史上最強とも言える攻撃力を持つ打線を武器に、真っ向勝負で迎え撃つ覚悟だ。
就任1年目の昨年はリーグ2位でファーストステージで敗退
就任1年目の昨年は2位ながらファーストステージで敗退。悔しい思いをしたが「今回はファイナルステージで状況が違う。やることは一緒だが、試合の流れの中で当然ミスすることもあるし、打たれることもある。そこでミスしたことは過去のこと。みんなで前向きに、負けたら次の試合、打てなかったら次の打席というふうに、気持ちをうまくコントロールすることが1番大事だと思う」と短期決戦における心構えを説いた。
短期決戦では細かいミスが命取りになる。前日には投内連携の細かい部分の確認も行った。ナインたちを信頼している指揮官は「あの終盤のきついところでやってきた選手たちだから、心配はしていない。ミスはつきもの、そんなものはいい。戦いにおいては、前向きに。我々はいつも通りやるしかないです」と語った。
2018年ペナントレースの激戦で1度も他チームに譲らずトップで走り抜けた選手たちに、指揮官は全幅の信頼を寄せている。会見で見せた笑顔は、その信頼の証なのかもしれない。
「レギュラーシーズンの胴上げをここで出来なかったので、選手とファンとみんなで分かち合えるような結果になればいいかなと思います」と、本拠地での胴上げを誓った辻監督。ホームでの大声援を背に受けて「いつも通り」の戦いで、CS突破を目指す。
(岩国誠 / Makoto Iwakuni)
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