鷹打線はどうやって苦手の上沢直之を攻略したのか 打撃コーチが明かす“ある狙い”

Full-Count

2018.10.14(日) 07:20

初回に逆転満塁本塁打を放った福岡ソフトバンクのデスパイネ※写真提供:Full-Count(画像:(C)PLM)
初回に逆転満塁本塁打を放った福岡ソフトバンクのデスパイネ※写真提供:Full-Count(画像:(C)PLM)

初回無死満塁から柳田適時打、デスパ満塁弾で大量5得点

■福岡ソフトバンク 8-3 北海道日本ハム(13日・ヤフオクドーム)

 福岡ソフトバンクが先勝し、ファイナルステージ進出に王手をかけた。13日、本拠地ヤフオクドームでの北海道日本ハムとの「パーソル クライマックスシリーズ パ」ファーストステージの第1戦。1点を先制された直後の攻撃で一挙に5得点を奪って、北海道日本ハム先発の上沢を攻略。そのまま押し切って、大事な初戦をモノにした。

 最大3試合の“超短期決戦”のファーストステージ。その初戦、勝負のポイントは、まさかの初回に待ち受けていた。北海道日本ハム先発は今季2勝4敗、防御率2.20に抑え込められていた上沢。苦手の右腕に鷹打線は、いきなり牙を剥いた。

 上林が左翼線にポトリと落ちる幸運な二塁打で出塁。明石が四球を選んで繋ぐと、中村晃の一塁線上へのボテボテのゴロも内野安打に。いきなり満塁のチャンスを作ると、柳田が上沢の初球、武器であるフォークを右前に弾き返して同点に追いついた。

 続くデスパイネは、1ボール2ストライクからの4球目、外角高めの真っ直ぐを弾き返して右翼スタンドへと運んだ。一気に4点のリードを奪うグランドスラム。いきなり1死も奪われることなく、怒涛の猛攻でいきなり5点を奪い取った。

 なぜ、鷹打線は苦手だった上沢を攻略できたのか。

 勝負のポイントを、立花義家打撃コーチはこう語った。「ファーストストライクをまず打ちにいこうと。初球にスイングを入れていく、というのをやった」。福岡ソフトバンクの打者たちの狙いは、上沢が投じてくるファーストストライク。上林は初球から振りに行き、中村晃と柳田はともに初球。デスパイネも初球を打ちに行き、空振りしていた。

 積極的に打ちに行く姿勢を全面に押し出したのが、そこには、1つの意図があった。同コーチは言う。「上沢投手は初球、ファーストストライクが1番甘い投手」。上沢の持ち味は150キロに迫る真っ直ぐと鋭いフォーク。見逃してファーストストライクを取られると、その後はフォークを意識せざるを得なくなる。ファーストストライクよりも、セカンドストライクの方が厳しくなる傾向もあり“ファーストストライク”に狙いを定めていた。

 「とにかく立ち上がり」と、どんな投手でも不安の残る初回に集中していた福岡ソフトバンク打線。上沢自体の調子も「ストレートもちょっと沈んでいたし、フォークも良くなかった」というが、さらには「フォーク、フォークと考えずにいった」と上沢最大の武器であるフォークも意識から外すように指示していた。13球で試合の行方を決めた猛攻。王手をかけた福岡ソフトバンクは、こうやって苦手の上沢を攻略した。

(Full-Count編集部)

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