“地味ながら"といったら失礼にあたるが、千葉ロッテの三木亮選手は、玄人好みのプレーでファンを沸かせている。
9月7日の埼玉西武戦では、開幕から全試合遊撃スタメンを張っていたルーキーの藤岡裕大選手に代わり「7番・遊撃」で先発出場すると、第1打席に早速、球界を代表する菊池雄星投手から逆方向へきっちりと安打を放った。
翌8日の埼玉西武戦でも、9対9の6回無死1,2塁から福浦和也選手の代打で登場し、初球で犠打成功。「色々準備をしていたら(前の打者の鈴木選手が)四球になったので、逆に何にも考えずにいけた。それが良かったのかなと思います」と、続く決勝の犠飛をアシストした。
その日は第2打席でも、12対9の8回無死2塁の得点圏で打席が回ってくる。序盤8対0から8点差を追い付かれていただけに、1点でも多く取っておきたい場面。「左ピッチャーなので打たせてもらえるかなと思ったんですけど、期待したらやっぱそうかと思いました」と言いつつ、三木選手はサイン通り犠打を決めて、追加点につなげた。
犠打を決めたのは、2打席ともファーストストライク。「今までやってきたことが良い方向に結果に出ている」と言うように、三木選手が日々の練習から常に大事にしている“1球目の良い形"が、実を結んだと言える2つのシーンだった。
9月15日の東北楽天戦は3対9の8回2死走者なしから代打で登場すると、高梨雄平投手の3球目を右前に運んだ。本塁打や適時打を放つわけではないが、自分の役割を理解し、淡々とその業務を遂行している。
試合前の打撃練習を見ていても、右方向を意識した打撃が目立つ。三木選手は「引きつけて右に強い打球を打とうとした結果」と教えてくれた。
昨年は遊撃のレギュラーをつかみかけながら故障で離脱。今季は不動のレギュラー定着を目指したが、ルーキーの藤岡裕選手が開幕からスタメンを勝ち取ったため、自身の出場機会は減少した。それでも、与えられる少ない機会で結果を残す三木選手。派手さはなくても、千葉ロッテには欠かせないピースだ。
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