“ほぼ毎年”埼玉西武が見続けた屈辱 10年ぶり歓喜で晴らせるか?

パ・リーグ インサイト

2018.9.27(木) 10:00

東北楽天ゴールデンイーグルス(C)パーソル パ・リーグTV
東北楽天ゴールデンイーグルス(C)パーソル パ・リーグTV

 埼玉西武は25日時点でマジックを5として、10年ぶりの優勝へと歩みを進めている。9年間Vなし、というのは1979年の所沢移転後最長ブランクで、この間に3度の監督交代、3年連続を含む4度のBクラスなど、かつて黄金時代を築いた獅子たちにとっては雌伏の時となった。特にこの間、8度も他球団の優勝決定に関わり、胴上げを目撃しているという事実は屈辱以外の何物でもない。

 ライオンズの本拠地、西武ライオンズ球場(当時)でパ・リーグの他球団が優勝を決めたのは1995年のオリックスが初。それまでパ・リーグ5連覇を果たしていた獅子は地元で初めて、相手の胴上げを目の当たりにする。しかし、97年、98年と連覇を果たすなど、着実に好成績を残したこともあり、その後しばらく、相手の歓喜を目撃することはなかった。

 潮目が変わったのは渡辺久信監督の下、13度目の日本一に輝いた翌年、2009年のことだった。この年の埼玉西武は救援陣がふるわず、優勝争いから早々に脱落すると、クライマックスシリーズ(CS)争いでも苦戦。そしてBクラスが確定した10月6日、札幌ドームで北海道日本ハムにサヨナラで敗れ、14年ぶりに目前での胴上げを許す。

 これをきっかけに、2010年代のパ・リーグ優勝劇には「ほぼ埼玉西武が関係する」という事態が起きる。

2010代の優勝チームと埼玉西武

【2010年】札幌ドームで埼玉西武が北海道日本ハムにサヨナラ負け。試合中だった福岡ソフトバンクの7年ぶり優勝が決定
【2011年】西武ドームで福岡ソフトバンクが埼玉西武を下し、リーグ2連覇が決定。なおCSファイナルステージでもヤフードーム(当時)で福岡ソフトバンクに3連敗を喫し、胴上げを目撃
【2012年】西武ドームで埼玉西武が千葉ロッテに敗れ、試合のなかった北海道日本ハムの3年ぶり優勝が決定
【2013年】西武ドームで東北楽天が埼玉西武を下し、創設9年目で初優勝
【2014年】福岡ソフトバンクが最終戦でオリックスを下し3年ぶり優勝。埼玉西武は関わらなかったが、同日北海道日本ハムを相手に2回の表裏で7点ずつを奪う打撃戦を制し、試合終了後に監督代行だった田邊徳雄氏の監督就任を発表
【2015年】ヤフオクドームで福岡ソフトバンクが埼玉西武を下しリーグ2連覇
【2016年】西武プリンスドーム(当時)で北海道日本ハムが埼玉西武を下し4年ぶりリーグ優勝
【2017年】メットライフドームで福岡ソフトバンクが埼玉西武を下し2年ぶりリーグ優勝

 現在の埼玉西武を引っ張る主将・浅村栄斗選手は2013年、秋山翔吾選手は2015年にそれぞれ最後の打者に。また、外崎修汰選手は2016年に最後の打者となったが、翌年は9回2死から安打を放って「2年連続最後の打者」という汚名を回避している。

 9年間、苦汁を飲まされ続けた若獅子たち。果たして10年ぶりの歓喜の瞬間はどのような形でやってくるのだろうか?

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