【試合戦評】両軍合わせて30安打の乱打戦は今季最高19安打17得点の千葉ロッテに軍配。福岡ソフトバンクは驚異的な追い上げを見せるも及ばず。
パ・リーグ インサイト
2017.8.8(火) 00:00
千葉ロッテ対福岡ソフトバンクの3連戦。初戦の先発は千葉ロッテが石川歩投手、福岡ソフトバンクが石川柊太投手という「石川対決」となった。石川歩投手は7月23日の福岡ソフトバンク戦で7回途中1失点の好投を見せ、勝利投手となっている。今日の試合でもその良いイメージを継続させたい。対する石川柊太投手は、千葉ロッテ戦に先発するのはこの試合が初。初体験となるZOZOマリンスタジアムの先発マウンドで、気持ちを新たに好投したい。
石川歩投手は、打たせて取る投球で完璧な立ち上がりを見せた。対する石川柊太投手も得点圏に走者は背負ったものの、後続を断って無失点で切り抜ける。
試合が動いたのは2回裏だった。先頭の根元選手が安打で出塁すると、2死1塁で8番・田村選手が右中間を真っ二つに割る先制適時二塁打を放つ。この当たりで1塁走者の根元選手が一気に本塁に生還し、千葉ロッテが1点を先取した。
3回裏、千葉ロッテはなおも攻勢に出る。先頭の加藤選手が四球を選び、盗塁と内野ゴロで3塁まで進塁。1死3塁の得点機を得ると、ここで3番・角中選手がしぶとく左前に運ぶ適時打を放ってまずは1点を追加。続く鈴木選手の死球でなおも1死1,2塁となると、5番・根元選手が適時二塁打を放ってさらに1点。打線がつながりを見せた千葉ロッテが、試合序盤で3点のリードを握った。
勢い付いた千葉ロッテ打線は、4回裏も攻撃の手を緩めない。1死から9番・平沢選手が安打で出塁すると、続く加藤選手が死球を受けて1,2塁の好機が訪れる。ここで2番・荻野選手が甘く入った変化球を振り抜くと、打球はそのまま左翼席へと飛び込む1号3ランに。そしてなおも1死1塁から4番・鈴木選手が適時二塁打を決め、石川柊太投手に代わってマウンドに上がった寺原投手の押し出し四球でもさらに加点。この回一挙5得点を奪い、スコアを8対0とした千葉ロッテが、福岡ソフトバンクを大きく突き放した。
意地を見せたい福岡ソフトバンクは6回表、代打・鶴岡選手の3号2ランで2点を奪う。
しかし、千葉ロッテ打線の勢いは止まらない。直後の6回裏、無死1,2塁から7番・サントス選手に2点適時二塁打が生まれ、続く田村選手の内野ゴロの間にもさらに1点。11対2という千葉ロッテの大量リードで、試合は終盤に突入した。
7回表、試合は劇的な展開を迎える。先頭の柳田選手が安打で出塁し、続くデスパイネ選手が左翼席へ24号2ランを放って反撃ののろしを上げると、福岡ソフトバンク打線が猛然と追い上げを始める。1死2塁から8番・福田選手の適時打でまずは1点を返し、1死1,2塁から1番・明石選手も適時二塁打で続く。なおも2死2,3塁から3番・松田選手も2点適時二塁打を放ち、気が付けばこの回一挙6得点の猛攻を見せた福岡ソフトバンクが、点差を一気に9点から3点に縮めていた。
福岡ソフトバンクの追い上げを受けつつも、千葉ロッテが再びリードを広げる。7回裏は、2死1,2塁から代打・井口選手が適時打。これで完全に試合の流れをつかんだ千葉ロッテは、8回裏にも3番・角中選手の2点適時打と5番・細谷選手の適時打、6番・中村選手の4号2ランでダメ押しの5点を奪って試合を決めた。最終的なスコアは17対8。激しい打撃戦は今季両リーグ最多得点を奪った千葉ロッテに軍配が上がった。
上位打線から下位打線にかけてまんべんなく適時打が生まれたことは、勝利した千葉ロッテの今後にとって好材料になることは間違いないだろう。敗れた福岡ソフトバンクは、打線が7回表に驚異的な追い上げを見せたものの、投手陣が19安打17失点と大きく崩れた。明日からの試合では安定感を取り戻したいところだ。
明日の先発は千葉ロッテがスタンリッジ投手で、福岡ソフトバンクがバンデンハーク投手。外国人投手同士の投げ合いとなるカード第2戦、今日の激しい打撃戦がどのような影響を及ぼすか、白星を挙げるのはどちらになるか注目だ。
記事提供: