8月8日、NPB公式サイトより2017年7月度の「日本生命月間MVP賞」受賞選手が発表された。セ・リーグの受賞選手は巨人の菅野投手、横浜DeNAの桑原選手。パ・リーグの受賞者は、福岡ソフトバンクの東浜投手と、埼玉西武の秋山選手である。受賞選手の詳細は以下の通り。
【投手】
福岡ソフトバンク・東浜投手(初)
7月成績:3試合3勝0敗 20回1/3 13奪三振 防御率1.33
沖縄尚学高校時代には、春の選抜で優勝投手となり、亜細亜大学でも東都大学リーグの通算完封記録を破るなど、アマチュアナンバー1右腕と名高かった東浜投手。ドラフト1位指名を受けて福岡ソフトバンクに入団し、新人王有力候補と目されたが、2015年までの3年間で記録した勝利数は1年目の3勝が最多で、なかなか本来の力を発揮できずにいた。
しかし昨季、初登板となった4月15日の楽天戦を勝利で飾ると、6月16日まで5勝無敗の好成績をマーク。そのまま先発陣の一角として投げ抜き、自己最多を大きく更新する9勝を挙げる。防御率も3.00と安定感を見せ、主力の1人として存在感を示した。
そして迎えた今季は、開幕直後から先発陣に故障者が続出する中、まさしく救世主のように快投を披露する。7月度は3試合に登板し、リーグ最多タイの3勝をマーク。17日の埼玉西武戦では8回途中1失点で自己ベストに並ぶ9勝に到達し、27日に行われたリーグ1位の楽天との首位攻防2連戦では、試合前時点で防御率リーグトップに君臨していた岸投手に投げ勝ち、自身初となる2桁勝利を達成した。
8月3日に11勝目を挙げて4連勝を果たし、現在のチームの首位浮上にも大きく貢献した東浜投手は、自身初の月間MVP受賞について、「まさかという感じで驚いています。拓也(甲斐選手)のリードのおかげだし、点を取ってしっかり守ってくれた野手の方のおかげ」とチームメイトへの感謝の言葉を口にした。
【野手】
埼玉西武・秋山選手(2015年6月以来3度目)
7月成績:23試合94打数33安打19打点3本塁打 打率.351
横浜創学館高校、八戸大学を経て、2010年のドラフトで埼玉西武に3位指名を受けた秋山選手。1年目から110試合に出場し、堅実な守備で中堅手に定着。2年目は規定打席に到達してリーグ6位の打率.293をマークし、3年目には初の全試合出場を果たす。
2013年にゴールデングラブ賞を受賞するなど、外野守備の名手としては早いうちから存在感を示していた秋山選手だったが、プロ5年目の2015年には、打撃力が一気に開花、記録尽くしの1年となった。歴代3位タイ(左打者では歴代1位)となる31試合連続安打、史上7人目となるシーズン200安打を達成。最終的には、2010年のマートン選手(元阪神)の214安打を上回る216安打を放ち、シーズン最多安打の日本新記録を打ち立てた。
攻守において球界を代表する選手となった秋山選手だが、今季は長打力までもが飛躍的にアップ。現時点ですでに自己最多を大きく更新する20本塁打を記録し、ここまで97試合386打数128安打、打率.332と、先頭打者ながら一発を持つ豪快さと、安打製造機としての安定感を両立させている。
7月度は1番打者として全23試合に先発出場。安打、打点、塁打、得点の4部門でリーグトップ、またはトップタイの数字を残した。6日の北海道日本ハム戦、11日の千葉ロッテ戦、23日の北海道日本ハム戦ではいずれも3安打4打点、25日のオリックス戦では4安打2打点の活躍。さらに、18日の福岡ソフトバンク戦から30日の千葉ロッテ戦までは、11試合連続安打を記録している。
2015年3・4月度、6月度以来、自身3度目の月間MVP獲得となった秋山選手は記者会見で、「オールスター明けからチームが勝った中で、良いところで打たせてもらったなという印象があるので、これはもう自分だけの力じゃないなと思います」、「(自身を打撃王=ダゲキングと称した球団ポスターについて)ダゲキングと言ったら中村さんという印象がすごくあるので、7月MVPだけでダゲキングというのは是非やめていただきたい」と、秋山選手らしい謙虚な姿勢でコメントした。
十亀投手が6月度月間MVPを受賞したため、埼玉西武の選手が2カ月連続で同賞を獲得。これで埼玉西武の受賞回数は通算72度目となり、オリックス、北海道日本ハムの71度を抜いてリーグ単独トップの数となった。
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