10月11日、北海道日本ハムとオリックスによる2025 パーソル クライマックスシリーズ パ ファーストステージがエスコンフィールドで開幕する。
レギュラーシーズンの対戦成績は12勝12敗1分。そのうち、エスコンフィールドで行われた試合では北海道日本ハムが7勝、オリックスが6勝を挙げている。
ここからは今季エスコンフィールドで行われた同カードから3試合をピックアップして振り返る。
5/13 10回戦 F 7-0 B 北海道日本ハムが九里亜蓮を初攻略
開幕からオリックス・九里亜蓮投手に手こずっていた北海道日本ハム。4月5日の今季初対戦から25イニングで2得点、3連勝を許していた。
4度目の対戦となった5月13日。北海道日本ハムは3回裏に石井一成選手がチーム初安打となる二塁打で出塁すると、五十幡亮汰選手の適時打で九里投手から1点を先制する。以降は6回まで無得点に倒れるも、その一方で、先発・伊藤大海投手も無失点投球を続け、このまま投手戦となるかと思われた。
7回裏、1死から清宮幸太郎選手、万波中正選手、石井選手の3連打で追加点のチャンス。満塁の場面で打席に立った伏見寅威選手は初球をセンター前に打ち返し、待望の2点目を挙げる。なおも1死満塁で五十幡選手が2球目にスクイズ。打球を処理する九里投手が1塁へ送球した隙に、2塁走者の代走・水野達稀選手も生還した。
チャンスを逃さず得点につなげ、さらには“2ランスクイズ”まで成功。北海道日本ハムらしい畳み掛ける攻撃で難敵・九里投手を攻略した。
5/14 11回戦 F 5-9 B 廣岡大志が初グランドスラム
今季キャリアハイとなる118試合に出場したオリックス・廣岡大志選手。ブレイクを象徴するような一本が、5月14日の試合で飛び出した。
2点ビハインドの8回表、オリックスが3四球で1死満塁とすると、森友哉選手の押し出し四球で1点差に迫り、なおも2死満塁の場面。廣岡選手は159km/hの直球を振り抜くと、確信したように雄叫びを上げる。自身初の満塁ホームランをレフトスタンド上段までかっ飛ばし、勝利を引き寄せた。
8/19 19回戦 F 6x-5 B 野村佑希が9回2死から劇的サヨナラ打
8月19日は二転三転する試合展開で驚きの結末を迎えた。
北海道日本ハム・達孝太投手の前に4回まで完ぺきに封じられていたオリックス。しかし、3点を追う5回表、中川圭太選手が達投手からチーム初安打となるソロホームラン。これが反撃の合図となったように頓宮裕真選手が安打、若月健矢選手は四球、紅林弘太郎選手も安打でつなぎ1死満塁。この攻撃の仕上げは宗佑磨選手の一発だった。ライトスタンドへ満塁ホームランを放り込み、あっという間に試合をひっくり返す。
追いかける展開となった北海道日本ハム。2点ビハインドのまま迎えた9回裏1死、守護神・マチャド投手から清宮選手と石井選手が連打で出塁するも、続くレイエス選手は空振り三振。2死まで追い詰められたが、郡司裕也選手の内野安打により土壇場で満塁のチャンス。続く野村佑希選手は高々とライト方向へ打ち上げると、打球は相手の前進守備を超え右中間を破る。土俵際で走者を一掃する適時二塁打が飛び出し、劇的なサヨナラ勝利を収めた。
パーソル CS パでも点の取り合いに期待
チーム打撃成績を見ると、北海道日本ハムはリーグ最多129本塁打、2位の548得点、オリックスもリーグトップの1252安打、2位の打率.255と好成績で、互いに打力が自慢のチームといえる。レギュラーシーズンでは2ランスクイズのような相手を揺さぶる攻撃もあれば、ド派手な空中戦もあった。パーソル CS パでも両チームの”らしさ”が現れたオフェンスに期待したい。
文・菊地綾子
