獅子の快進撃を支える和製大砲。埼玉西武に「おかわり2世」ならぬ「山川穂高」あり

パ・リーグ インサイト

2017.8.1(火) 00:00

中村選手やメヒア選手など、リーグ屈指の長距離砲が名を連ねる埼玉西武打線に後半戦からの飛躍が待ち遠しいもう1人の若き大砲がいる。入団当初から「おかわり2世」と呼ばれている山川選手だ。176センチ100キロの体格は、175センチ102キロの「本家」と瓜二つである。

そんな山川選手の持ち味は何といっても本塁打だ。入団当初は中村選手への強い憧れから、打撃フォームを真似た時期もあった。しかし結果が伴わず、不振の原因にもなった。3年目となった昨季はその違いを自覚し、自分本来のフルスイングを取り戻すと、中村選手に引けを取らない美しい放物線を幾度も描く。

昨季はファームで自身2度目の本塁打王を獲得した。後半戦からは一軍にも合流し、3度の「おかわり」を含む14本塁打を放ち大ブレイク。長打率は驚異の.590を記録し、36安打中14本が本塁打と、その大砲ぶりをいかんなく発揮する。

開幕を一軍で迎えた今季は、前半戦から活躍が期待されていたが、まさかの絶不調。4月は35打席で2本塁打、打率.111と期待に応えることができず、悔しいファーム落ちとなってしまった。しかし、ファームで調子を上げ、39試合130打数42安打10本塁打、打率.323を記録。本来の打撃を取り戻し、再び一軍から声が掛かるのを待った。

7月8日に待望の一軍再昇格を果たし、同日の楽天戦に代打で出場すると、いきなり値千金の同点2ラン。試合には敗れたものの、その存在をファンの心に強く焼き付けた。また、26日のオリックス戦、30日の千葉ロッテ戦では、いずれも勝ち越し適時打を放ってチームの連勝に大きく貢献し、お立ち台にも上がった。打席数は少ないながら、7月30日の時点で長打率は.483を記録。守備でも美技を披露し、一軍での自身の居場所を確立しつつある。

大型連戦が続き、主力選手にも次第に疲れが見え始めるシーズン後半戦。現在3位というチーム状況を考えると、試合を決める1点の重みが今まで以上に大きくなっていくことは間違いないだろう。偉大な先輩の背中を追いながらも自分らしいアーチを描く山川選手が、重量打線の新たな得点源となれるか。そのスケールはもはやファームの域には収まりきらない。眠れる獅子の完全覚醒を、ファンは心待ちにしている。

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