170キロ超安打連発のマルチ「彼はどんどん慣れて、成功していく」
エンゼルスの大谷翔平投手は12日(日本時間13日)の本拠地レンジャーズ戦で第2打席に2試合ぶりのヒットとなる二塁打を放つと、7回には右前打で3打数2安打1四球1三振1得点。今季20度目のマルチ安打で8-1での勝利に貢献した。いずれも打球速度170キロを超える痛烈なヒット。メジャー通算132勝のエンゼルスOBは「彼のヒットのほとんどが時速100マイル(約161キロ)超え」と“ロケットヒット”連発の二刀流右腕に脱帽している。
速い。速すぎる。7回1死走者なしの場面で、大谷は右腕バトラーの初球94マイル(約151キロ)の直球を完璧に捉えた。独特の快音とともに、バットから放たれた打球はあっという間に一、二塁間を破った。
初速は109マイル(約175キロ)。2点リードで迎えた3回2死走者なしの場面で放ったライトオーバーの強烈な二塁打は打球速度108マイル(約173.9キロ)、飛距離360フィート(約110メートル)だったが、このロケットのような当たりを上回る高速ぶりだった。
地元ロサンゼルスで試合を中継しているテレビ局「FOXスポーツ・ウェスト」の解説者でエンゼルスOBの元投手、マーク・グビザ氏は「彼のヒット、そしてフェアとなる打球の初速を見ると、ほとんどが100マイルを超えていることがわかります。ボールをかっ飛ばしています。内角の94マイルのファストボールをライナーです」と唸るしかない様子だった。
「彼はバットを振るたびに、どんどん慣れて、成功していきますね」という実況の言葉に、グビザ氏は「彼の仕事ぶりはアメージングです。スプリングトレーニングで彼のプレーを見た時のことを考えると、彼の現在の活躍は素晴らしいと言えます」
打率は.295に上昇「出塁率も上がり続けています」
メジャー1年目の開幕前のオープン戦で二刀流の天才は適応に苦しんだ。オープン戦は打率.125、防御率27.00というらしからぬ結果で、米メディアからは「高校生レベルのバッティング」という酷評すらあった。だが、蓋を開けてみれば、今季メジャーの主役の1人に。批評家は手のひらを一斉に返し、「2018年のMLBはオオタニがデビューした年と記憶されるべき」と米スポーツ専門メディア「ザ・リンガー」が特集するほどだ。
「打撃ではメカニックの部分を修正しました」と実況は振り返った。開幕直前のドジャースとのオープン戦でノーステップ打法に切り替えた大谷。そこからは代名詞の「ビッグフライ」を連発している。
「足を上げるのをやめました。ドジャースとのフリーウェイシリーズでしたね。スプリングトレーニングの終了直前でしたよ。オオタニの打率は.295まで上がってきました。3度出塁したので出塁率も上がり続けています」
大谷の出塁率は.376まで上昇。グビザ氏は恐るべき適応力と成長スピードに感銘を受けている様子だった。「打者・大谷」の進化が止まらない。
記事提供: