パ・リーグの新人王は誰が受賞するのか最後の最後まで分からなくなってきた。
オリックスのドラフト1位ルーキー・田嶋大樹投手が6月の段階で6勝をマーク。この勢いで2桁勝利を挙げ、新人王間違いなしかと思われた。しかし、故障で6月24日の福岡ソフトバンク戦の登板を最後に、一軍登板なし。新人王争いから一歩後退していると言っていい。
田嶋投手とチームメートの2年目・山本由伸投手は、開幕直後にリリーフに転向すると、守護神・増井浩俊投手につなぐセットアッパーを務め、ホールドを稼いでいく。5月と6月は26試合に登板して18ホールドを挙げ、7月終了時点で25ホールド。2年目の山本投手も新人王候補の本命に躍り出たが、8月は9試合に登板して防御率5.79と、やや失速気味。ホールド数、ホールドポイントのランキングでも長い期間トップに立っていたが、現在は北海道日本ハム・宮西尚生投手に抜かれて2位となっている。
山本投手と同じ2年目の楽天・田中和基選手も新人王候補のひとりだ。開幕一軍の切符をつかんだが、4月5日に一軍登録抹消。約1カ月半の二軍調整で、打撃フォームをノーステップ打法に変更した。これが功を奏し、5月23日に一軍再昇格を果たすと、5月26日の福岡ソフトバンク戦から11試合連続安打を放つなど、レギュラーに定着。規定打席にこそ到達していないが、打率は.289をマークし、16本塁打。茂木栄五郎選手が持つ球団の生え抜きシーズン最多本塁打(17本)にあと1本と迫っている。
それ以外の候補選手は…
田中選手と同じ野手、千葉ロッテのドラフト2位ルーキー・藤岡裕大選手は、ショートという難しいポジションながら開幕から全試合に出場。打率は.244とやや物足りないが、進塁打、犠打などで2番打者としての役割をしっかりと果たしている。山本投手、田中選手に比べるとインパクトは少ないが、球団3人目となるルーキー全試合出場、球団の新人最多安打記録(河内卓司の147安打)が更新できれば、新人王の可能性も高くなりそうだ。
5年目の福岡ソフトバンク・加治屋蓮投手も、忘れてはならない。『支配下に初めて登録されてから5年以内・前年までの出場が30イニング以内』に該当するため、5年目だが新人王資格を持つ加治屋投手。今季は開幕一軍をつかむと、7月以外は毎月10試合以上投げるフル回転ぶり。防御率は3.40だが、チームトップの59試合に登板している。
山本投手が最優秀中継ぎ投手を獲得すれば、他の候補選手よりやや有利となり、新人王獲得の可能性が高まる。ただ田中選手が規定打席に到達し、藤岡選手もこのまま全試合に出場すれば、新人王を獲得してもおかしくないだろう。一気に混戦模様となってきた栄えあるタイトルの座に輝くのは果たして。
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