初回は159.8キロを計測も、3回の初球は143キロに低下
エンゼルスの大谷翔平投手は2日(日本時間3日)の敵地アストロズ戦で、待望のメジャーマウンド復帰を果たした。2回1/3を投げて1被弾を含む2安打2失点。49球での降板となったが、スプリンガーに左翼へ2点弾を浴びた3回に球速が急降下したことに、現地メディアが懸念の声を上げている。
初回は最速99.3マイル(約159.8キロ)を計測するなど速球は概ね97マイル(約156キロ)に達していたが、3回に球速は一気に下がり、初球の速球は89マイル(約143キロ)。回を通じても90マイル(約145キロ)をようやく超えるほどに低下した。これについて「完全に健康な投手が試合中に見せる球速の変化には到底思えない」と懸念を示したのが、米「Yahoo!スポーツ」だ。
記事では、試合後にマイク・ソーシア監督が腰の張りと打球を受けた右指が球速低下の一因だろうと話したことも紹介。同時に、1試合の中で見せた著しい球速のアップダウンについて「安定感のなさに大きな不安を覚えざるを得ない」と指摘している。
大谷は6月に右肘内側側副靱帯を損傷し、多血小板血漿注射と幹細胞注射の治療を受けた。7月には打者としてメジャー復帰を果たしたが、投手としては慎重なアプローチを続け、7月下旬にようやく投球練習再開の許可。そこからブルペン投球や実戦形式での登板を繰り返し、状態を上げてきた。投手・大谷の今季メジャーマウンド復帰について、現地では早過ぎると批判の声も聞こえたが、エンゼルスのビリー・エプラーGMは反対意見を一蹴していた。
記事では、ア・リーグ西地区で首位から大きく離されたエンゼルスの現状を指摘し、同じ状況で「内側側副靭帯のグレード2の損傷を負った後に今シーズン再びオオタニの登板を許可する球団は一体どれくらいいただろうか?」と疑問を呈している。同時に、復帰登板でのパフォーマンスを踏まえ、「オオタニが今季残りは何イニング投げることになるのか考える価値はある」と締めくくっている。
周囲の懐疑的な声を収めるには、1試合1試合、安定感のある投球を続けていくしかなさそうだ。
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