千葉ロッテの藤岡裕大選手は、遊撃という過酷なポジションで、ルーキーながら全試合に出場している。
自身の状態が悪くても、結果を残さなければならないのがプロの世界。7月22日のオリックス戦では、「振れていなかったので、軽いバットを使いました」と普段とは違うバットを使用するなど試行錯誤する日々が続く。
そんな中、8月14日の北海道日本ハム戦の第3打席で今季の打席数が443に達し、球団のルーキーでは2011年の伊志嶺翔大選手以来となるシーズンの規定打席到達を決めた。
プロ野球選手としてひとつの目安となる規定打席到達も、「規定打席はそんなに意識していない。全試合に出させてもらっているので、期待に応えたいと思っていますけど、結果はいまひとつです」と反省。
「後半戦は崩れてきたので、ヒットもあまり出ていないですし、その中でなんとか1試合に1本という気持ちではいますけど、なかなかそうもいかないのが厳しい現状です」と自身の現状に納得いっていない様子だ。
2番を打つ関係もあり、時に自己犠牲を求められるため、打率は2割5分前後だが、5月以降は3試合以上、連続無安打という試合がない。7月は20試合に出場して、打率.198ではあったが、13試合で安打をマーク。8月も23試合に出場し、3日の東北楽天戦から14日の北海道日本ハム戦にかけて8試合連続安打を放つなど、18試合で安打を記録している。
球団3人目となる新人でのフル出場へ
全試合出場中の藤岡選手はこの先、球団では3人目となる新人の全試合出場、球団の新人最多安打記録更新に期待がかかる。
球団の新人での全試合出場となれば、現在千葉ロッテで内野守備走塁コーチを務める小坂誠コーチ以来21年ぶりの快挙となる。藤岡選手は「全試合に出場しているので、なんとか出たいと思います」とフル出場への想いは強い。
安打数は、1950年に記録した河内卓司氏の147本が球団新人のシーズン最多記録となっている。このペースで藤岡選手が安打を量産していくと、137本という計算になり、このままでは届かない。藤岡選手は「超えていきたい数字ですけど、なかなか難しい数字。耐えながらヒットを出していきたいなと思います」と決意を述べた。
遊撃という過酷なポジションながら開幕から全試合に出場し、攻守にわたりチームに貢献する藤岡選手。シーズンも佳境を迎え、疲労度はピークに達しているはずだが、なんとか最後まで目標であるフル出場、さらには新人の球団最多安打記録を塗り替えてほしい。それだけの力が藤岡選手にはある。
【球団の新人全試合出場選手】
河内 卓司(1950年)
小坂 誠 (1997年)
【球団の新人100安打以上】
河内 卓司 147安打/1950年
榎本 喜八 146安打/1955年
小坂 誠 130安打/1997年
横田 真之 122安打/1985年
石黒 和弘 114安打/1964年
伊志嶺翔大 110安打/2011年
藤岡 裕大 110安打/2018年
戸倉 勝城 109安打/1950年
有藤 通世 105安打/1969年
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