たとえ打たれたとしても強い気持ちでアピールを意識。一軍という“戦場"で戦う若き男の決意

パ・リーグ インサイト 岩下雄太

2018.9.3(月) 17:01

千葉ロッテマリーンズ・岩下大輝投手(C)PLM
千葉ロッテマリーンズ・岩下大輝投手(C)PLM

「(一軍で投げられれば)最高ですけど、そこはスタッフが決めることなので、名前が挙がるように頑張ります」。

1カ月前に二軍で取材した時にこう話していた千葉ロッテの岩下大輝投手は、今やリリーフ陣に欠かせない存在となっている。

「一軍にずっといたいですし、一軍でやるためにプロに入っているので、これを長く続けることが一番大事」。一軍という“戦場"を経験し、岩下投手の言葉からも自信、逞しさが出てきた。

7月21日に4年目でプロ初昇格を果たすと、24日の福岡ソフトバンク戦で初の出番がやってきた。プロ初登板は延長12回裏、10対9と1点リードの緊迫した場面でのマウンドとなった。プロ初対戦はかつて千葉ロッテで4番を打っていたデスパイネ選手、その後も内川聖一選手、中村晃選手、松田宣浩選手と日本球界トップクラスの選手と対峙。1点を失ったが、何とかデビュー戦を終えた。

7月29日の埼玉西武戦で、本拠地・ZOZOマリンで初登板を果たし、1番・秋山翔吾選手から始まる好打順を3者凡退に片付ける。秋山選手からフォークでプロ初の三振を奪い、2番・源田壮亮選手の3球目に自己最速を更新する152キロを計測した。

8月1日の北海道日本ハム戦でプロ初ホールドを挙げると、同点や勝ち試合などチームの勝利に直結する大事な場面で登板する機会も増えた。

「中継ぎをやっているピッチャーは誰もがそこ(勝ちパターン)を目指してやっているので、やらせてもらっている現状、ありがたいですし、今シーズンに限らず、場所をいただけるならしっかりやらなきゃいけないなと思います」と、首脳陣の期待に応えようと、必死に腕を振っている。

緊迫した場面での登板が増えるにつれて、1球の怖さも知った。8月25日のオリックス戦では、5対1の7回からマウンドに上がったが、2本の安打で1死1,3塁とされると、中島宏之選手に適時打、宮崎祐樹選手を空振り三振に仕留め2死としたが、福田周平選手に適時打を浴び降板。代わった田中靖洋投手もマレーロ選手に2点適時二塁打を打たれ、岩下投手はこの日、プロ入り後自己ワーストとなる4失点を喫した。「先輩方に迷惑もかけましたし、自覚を持ってやらないといけない」と猛省した。

「一軍に上がった初めての年なので、しっかりアピールしていかないといけない立場。使ってもらっている以上、しっかり結果を出すだけです」。打たれた次の日も試合はやってくる。この失敗を次にどう生かしていくかが、一軍で長く活躍する上でも重要になっていきそうだ。

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パ・リーグ インサイト 岩下雄太

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