パ新人王の栄冠は誰に? 本命は不在、オリックス山本や東北楽天田中が候補か

Full-Count 広尾晃

2018.8.30(木) 15:34

東北楽天・田中和基(左)とオリックス・山本由伸【写真:荒川祐史】
東北楽天・田中和基(左)とオリックス・山本由伸【写真:荒川祐史】

オリックス田嶋は6勝挙げるも、6月24日以降はファーム暮らし

プロ野球のペナントレースはあと5週間で閉幕する。今季の新人王争いも、徐々にその候補が見えてきている。パ・リーグの新人王候補を見ていこう。新人王有資格者は、海外のプロリーグでプレー実績がなく、支配下選手に初めて登録されてから5年以内で、投手は前年までの1軍での登板イニング数が30イニング以内、打者は前年までの1軍での打席数が60打席以内の選手だ。

◯新人王有資格投手の1軍成績(投球回数順。記録は8月29日まで)

田嶋大樹(オ)
12試6勝3敗0S0H 68回2/3 69三振 率4.06

加治屋蓮(ソ)
56試3勝1敗0S22H 53回 40三振 率3.40

今井達也(西)
9試3勝3敗0S0H 49回 42三振 率5.33

山本由伸(オ)
48試4勝1敗1S30H 47回2/3 43三振 率2.27

池田隆英(楽)
15試1勝5敗0S4H 42回2/3 24三振 率5.91

岡本健(ソ)
23試1勝0敗0S0H 38回1/3 21三振 率3.05

玉井大翔(日)
30試1勝2敗0S2H 37回2/3 29三振 率4.06

澤田圭佑(オ)
29試3勝0敗0S5H 29回1/3 28三振 率2.15

渡邉啓太(ロ)
6試0勝1敗0S0H 28回 12三振 率4.82

大竹耕太郎(ソ)
4試1勝0敗0S0H 26回2/3 16三振 率3.04

近藤弘樹(楽)
7試0勝2敗0S0H 26回 12三振 率5.19

松本直晃(西)
23試0勝0敗0S1H 24回 16三振 率6.00

西村天裕(日)
26試2勝2敗1S8H 23回 25三振 率3.52

堀瑞輝(日)
4試2勝1敗0S0H 23回 12三振 率4.30

菅原秀(楽)
13試0勝0敗0S0H 19回2/3 16三振 率5.95

土肥星也(ロ)
4試1勝0敗0S0H 19回1/3 13三振 率4.19

高橋礼(ソ)
6試0勝1敗0S0H 17回2/3 9三振 率3.06

伊藤翔(西)
11試2勝0敗0S0H 14回2/3 6三振 率2.45

種市篤暉(ロ)
3試0勝1敗0S0H 14回 11三振 率7.71

田中正義(ソ)
10試0勝1敗0S0H 13回2/3 15三振 率8.56

齊藤大将(西)
13試1勝2敗0S1H 11回2/3 9三振 率3.86

岩下大輝(ロ)
12試0勝2敗0S4H 10回1/3 6三振 率5.23

小野郁(楽)
7試0勝1敗0S0H 9回 8三振 率4.00

笠谷俊介(ソ)
9試0勝1敗0S0H 7回2/3 4三振 率7.04

田中豊樹(日)
8試0勝0敗0S0H 7回2/3 8三振 率11.74

K-鈴木(オ)
4試0勝0敗0S0H 7回1/3 2三振 率8.59

今野龍太(楽)
3試0勝0敗0S0H 5回 6三振 率1.80

田村伊知郎(西)
4試0勝0敗0S0H 5回 3三振 率3.60

高野圭佑(ロ)
5試1勝0敗0S0H 4回2/3 3三振 率5.79

南川忠亮(西)
4試0勝0敗0S0H 4回2/3 6三振 率15.43

宮台康平(日)
1試0勝0敗0S0H 4回2/3 3三振 率3.86

吉田侑樹(日)
1試0勝1敗0S0H 3回2/3 2三振 率7.36

成田翔(ロ)
4試0勝0敗0S0H 3回1/3 1三振 率5.40

齋藤綱記(オ)
4試0勝0敗0S0H 2回2/3 3三振 率6.75

本田圭佑(西)
1試0勝0敗0S0H 2回1/3 0三振 率23.14

椎野新(ソ)
1試0勝0敗0S0H 2回 1三振 率9.00

中塚駿太(西)
2試0勝0敗0S0H 2回 4三振 率18.00

青山大紀(オ)
2試0勝0敗0S0H 1回2/3 2三振 率0.00

38人の新人王資格を持つ投手が1軍で登板している。もっとも投球回数が多いのはオリックスのドラフト1位・田嶋だが、6月24日の登板を最後に2軍落ち。6勝に止まっており、有力な新人王候補とは言いがたいだろう。

田嶋のチームメートである山本がセットアッパーとして活躍し、48試合に登板して4勝1敗1セーブ30ホールド、防御率2.27。中継ぎ投手の新人王獲得は、最近では2012年の千葉ロッテ益田直也の例があるが、この年の益田は2勝2敗1セーブ41ホールド、防御率1.67だった。山本の成績はこれに比べれば、やや物足りない印象だ。同じく福岡ソフトバンクの加治屋も数字的に物足りないと言えるだろう。

千葉ロッテ藤岡は唯一規定打席に到達しており、候補の1人

◯新人王有資格打者の1軍成績(安打数順、記録は8月29日まで)

藤岡裕大(ロ)
112試434打107安5本38点14盗 率.247

田中和基(楽)
77試306打90安16本36点19盗 率.294

福田周平(オ)
86試196打52安0本11点10盗 率.265

宗佑磨(オ)
49試180打38安1本9点2盗 率.211

清宮幸太郎(日)
30試95打22安4本10点0盗 率.232

渡邉諒(日)
32試89打20安5本9点0盗 率.225

菅野剛士(ロ)
39試95打18安1本16点1盗 率.189

西巻賢二(楽)
18試55打18安0本3点0盗 率.327

西村凌(オ)
27試79打16安2本6点2盗 率.203

石川亮(日)
22試37打11安0本3点0盗 率.297

山足達也(オ)
18試48打8安0本4点2盗 率.167

川瀬晃(ソ)
13試32打6安0本2点1盗 率.188

金子一輝(西)
6試14打5安1本2点0盗 率.357

八百板卓丸(楽)
19試22打5安0本0点1盗 率.227

平沼翔太(日)
7試9打3安0本0点0盗 率.333

杉本裕太郎(オ)
5試10打2安2本8点0盗 率.200

吉田雄人(オ)
3試6打1安0本0点1盗 率.167

安田尚憲(ロ)
6試20打1安0本2点0盗 率.050

山崎剛(楽)
13試13打1安0本0点1盗 率.077

村林一輝(楽)
9試4打1安0本0点0盗 率.250

栗原陵矢(ソ)
3試1打0安0本0点0盗 率.000

宗接唯人(ロ)
1試1打0安0本0点0盗 率.000

大木貴将(ロ)
1試0打0安0本0点0盗 率.000

岩見雅紀(楽)
7試14打0安0本0点0盗 率.000

石原彪(楽)
1試1打0安0本0点0盗 率.000

堀内謙伍(楽)
1試0打0安0本0点0盗 率.000

愛斗(西)
2試3打0安0本0点0盗 率.000

山田遥楓(西)
5試2打0安0本0点0盗 率.000

有資格者は28人いる。唯一、規定打席に到達しているのは千葉ロッテの藤岡だが、打率は.247と好成績とは言えない。守備面での貢献は光るものの、昨季新人王を獲得した埼玉西武の源田壮亮は規定打席に達して.270を打っていた。

ここにきて急浮上してきたのが、東北楽天の田中。不振の4月は4試合しか出場がなかったが、5月に入って1軍に再昇格してからは打線に定着し、1番で12本塁打。大型リードオフマンとして活躍している。田中は現在337打席だ。残り28試合にフル出場すれば、かろうじて443の規定打席に達する可能性もある。そうなれば、新人王の筆頭候補になるか。

北海道日本ハムの清宮幸太郎は1軍再昇格後、派手な活躍が報じられているが、トータルの成績では候補には入らないだろう。パの新人王争いは現時点では本命なし。有力なのは投手でオリックスの山本、打者では千葉ロッテの藤岡、東北楽天の田中だが、ともに今後の活躍次第ということになるだろうか。

記事提供:Full-Count

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