今年も競技の枠を超えて。「SPORTS ENTERTAINMENT TRADE SHOW 2018」にスポーツビジネスの「物」「知」「人」が集結

パ・リーグ インサイト 藤原彬

2018.8.30(木) 13:00

(C)PLM
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6月19日、20日の両日に「SPORTS ENTERTAINMENT TRADE SHOW 2018」が東京国際フォーラムで開かれた。当イベントが目指すのは、主に「ビジネス商談」「情報・ノウハウ共有」「人材交流」だ。2年連続2度目の開催となった「SETS(セッツ)」はスポーツチーム関係者のみが来場できるクローズド商談会であり、昨年の2倍近くとなる76社が出展、来場チーム・企業数は120を数えた。

出展社は会場内に展示ブースを構えた。そこでアピールした製品やサービスは、販売グッズにノベルティ、集客イベントや映像、音響設備、ECなど、多岐にわたる。同様に、来場者が専門とするスポーツも様々だ。プロ野球、Jリーグ、Bリーグといった国内のプロスポーツチームから、バレーボールやラグビー、eスポーツまで。スポーツビジネスに携わる多種多様な関係者が、商談の機会と交流の場を求めた。

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昨年のアンケートによると、出展企業の平均コンタクト数は25.9団体だった。「SETS」はスポーツビジネス関係者を対象とした商業イベントであるため、その場で商談にまで発展するのが特徴だ。イベント会場が広くなり、日数が増えた今年は、参加者がより営業効率を高め、コスト削減を可能とする場になったのではないだろうか。

実際に、その効果は出展者からの感想にも表れている。「会場が広くて、昨年よりも多くの企業ブースを訪問することができた。関心のあるブースを全部訪ねていると、1日だけでは足りないぐらいでした」。

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会場内では、マーケティングに関するセミナープログラムも拡充された。スポーツの現場に立つ登壇者が、それぞれのアプローチや成功事例、課題を披露している。切り口も多彩な以下7つのセミナーが2日間で催され、立ち見ができるほどの盛況を収めた。

・『若年層女性マーケティングと商品開発/女子高生のリアルニーズ』
・『スポーツチームwebサイト/ネイティブアプリの利用者分析』
・『米国スポーツビジネスにおけるダイナミックプライシング導入効果』
・『ファンから見たファンクラブグッズ・サービスの球団間比較』
・『他プロパティとのリーグタイアップ企画(アイドルマスター×パ・リーグ6球団コラボ事情)』
・『スタジアムビジョン・サイネージのネットワーク化とマーケットプレイス構想』
・『スタジアム購買活動のキャッシュレス化』

「スポーツ」を共通言語とする会場では、前職で同じフィールドに立ったことのあるスポーツビジネスパーソンが再会するシーンも見られた。昔話に花が咲き、各々の近況や現在の職域、業界の未来などについて話し込む。こうした場面が積み重なることにより、日本のスポーツ界に新しいつながりと流れが生まれるかもしれない。

「SETS」のモチーフとなったアメリカのウインター・ミーティングでは、MLBの球団関係者や代理人が盛んに選手の移籍交渉を進め、学生の就職フェアとしての一面も持つ。アメリカのスポーツ文化を支えている「人材交流の活性化」は、「SETS」が目指すスポーツ界の裾野拡大にとっても重要な要素だ。

「物」を介して「知」が共有され、多くの「人」が交わった「SPORTS ENTERTAINMENT TRADE SHOW 2018」。それぞれが成長し、拡大を続けた先に、日本社会を明るくする、スポーツ界の未来が広がっている。

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記事提供:

パ・リーグ インサイト 藤原彬

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