レアード選手看板直撃弾の副賞が話題に。米では雄牛直撃でステーキが副賞!?

パ・リーグ インサイト 新川諒

2016.5.17(火) 00:00

ダーラム・ブルズ・アスレチック・パーク ※筆者提供
ダーラム・ブルズ・アスレチック・パーク ※筆者提供

5月10日、北海道日本ハムファイターズのブランドン・レアード選手が東京ドームでのオリックス・バファローズ戦で左中間スタンド上に位置する「キリン一番絞り」の看板に直撃するホームランを放った。東京ドームでは看板を当てた選手には、賞金100万円と副賞が与えられる。

その副賞「ビール1年分」が大きな話題となり、米国へもそのニュースは広がった。日本ではシリーズや試合単位でもスポンサーが付くことが多いため、こういった副賞は珍しいことではない。だが米国ではさほど珍しかったのか、今回「ビール1年分」の副賞が瞬く間に話題になった。

だが米国でもビール1年分に負けない特有な副賞は存在する。

タンパベイ・レイズ傘下トリプルAのダーラム・ブルズの本拠地「ダーラム・ブルズ・アスレチック・パーク」には、レフトに位置する9.75メートルの「ブルー・モンスター」と呼ばれているフェンスの上に雄牛(ブル)型の看板が見下ろしている。この雄牛は1988年の映画「ブル・ダーラム」で使用されたものをモデルにしている。

球場の名物ともなっているこの雄牛型の看板は、選手がホームランを放った際に鼻から煙が出て、目が赤く点灯し、尻尾を揺らす動きをする。

この雄牛型の看板をよく見てみると、「Hit Bull win Steak(雄牛を当ててステーキを勝ち取ろう)」と綴られている。さらには芝生の部分には、「Hit Grass win Salad(芝生を当ててサラダを勝ち取ろう)」とも書かれている。

このフレーズは宣伝のために書かれているわけではなく、実際にホームランを雄牛に当てた選手には地元ステーキハウス「アンガス・バーン」から副賞でステーキが送られている。 ここを相手チームのスタッフとして訪れたときは、選手たちは皆ステーキ目掛けて打撃練習を行い、雄牛を当てられるよう感覚を確かめていた。地元紙の記事によると、現在は相手チームの選手が放っても提供されなくなってしまったようだが、球場がオープンした1995年からは合計で29枚のステーキが振る舞われてきたようだ。

ホームランを打って副賞をもらえる機会は、選手だけでなくファンにも与えようと、今シーズンからテキサス・レンジャースが発案したのは「Swing for your seats(チケットのためにバットを振ろう)」といったプロモーション企画だ。

新たな、もしくは追加分で購入したシーズンチケットの頭金25%を支払うことで、3度ホームランを狙うチャンスが与えられる。見事ホームランを放った参加者には約108万円分までのシーズンチケットが無料となるか、その額分までアップグレードされたチケットが与えられることになる。

メジャーリーガーと同じ舞台でホームランを放つという無謀とも思える企画で、なんと参加者の1人がホームランを放ったのだ。その結果、ハーフシーズンチケットを2枚購入していた参加者にはグレードアップした席で4枚分(約92万円分アップグレード)が提供されることとなった。

この企画には総勢20人が参加し、売れたチケットは57枚だ。売り上げだけでなく、話題性、そしてファンには夢を叶えさせるチャンスを与えたプロモーション企画となった。

日本では看板直撃ホームランでの副賞は身内(選手)へ与えられるものが多いが、米国ではダーラムの例があるもののさほど多くはない。

どちらかと言えば、ファンを巻き込んだプロモーションのほうが多い。シンシナティ・レッズの本拠地「グレート・アメリカン・ボールパーク」の左中間の深い位置にはトヨタ・タンドラのトラックが止まっている。そのトラック、もしくは右中間のトヨタの広告看板に選手がホームランを放てば、試合前に選ばれたファンがトラックを副賞として得ることができるという企画がある。8年間トラック直撃弾が出ることはなかったが、2015年シーズンにレッズのジェイ・ブルース選手はトラックを直撃する当たりではなかったものの、期間限定のルールの下、初めてトラック受賞者を出すホームランを放った。

なかなか出るものではないが(むしろ出過ぎてしまっても、スポンサーとしてはたまったものではないが…)、プロモーション企画が1つの形として成立した時には大きな話題、そして1人の絶大なるファンを生む企画となった。トラックがスタンドに止まっているだけで、来場客の目に入り宣伝としては看板と同様の価値もあるだろう。

今回は思わぬ形で、プロ野球では当たり前のことが米国でも話題を呼ぶことになった。だが米国でも特有の企画は数多く存在する。日米でのさまざまな企画を共有し、アイディアが溢れることで、多くが楽しめる場が今後も広がっていくことを望みたい。

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パ・リーグ インサイト 新川諒

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