埼玉西武は21日、金銭トレードで獲得した元中日の小川龍也投手を一軍登録した。
中日では、速球とスライダーを武器にリリーフとして活躍した左のサイドハンド。今季一軍出場機会を得られないまま埼玉西武の一員となったが、トレードを契機として復活を遂げた先達に続き、今季2人目の「成功例」となることができるか。
千葉英和高校から2009年ドラフト2位で中日に入団した小川投手は、2016年にブレイク。自己最多44試合に登板して1勝1敗9ホールド、防御率2.27という安定した成績を残し、貴重な左の中継ぎとして中日のブルペンを支えた。
翌年は防御率2.19ながら、登板数は18試合と昨年の半分以下に。そして今季はイースタンで21試合1勝1セーブ、防御率2.40という成績を残していたものの、一軍の登板機会は得られず。7月19日に金銭トレードで埼玉西武へ移籍することが発表され、新天地で再起を期すことになった。
首位独走…しかし手薄な左の中継ぎ陣
埼玉西武の中継ぎ左腕では、昨季防御率1.98と大活躍した野田投手が調子を取り戻しつつあるが、長い間大車輪の活躍を見せていた武隈投手が防御率5.81と絶不調。小石投手も現在は二軍調整を続けており、左のリリーバーは手薄な状況となっていた。
渡辺久信球団本部シニアディレクター兼編成部長は「現在左のリリーフ陣が足りていない部分があるので、補強をいたしました」とトレードの意図を説明し、「小川君は一軍経験も豊富ですし、必ず戦力になってくれると思います」と期待を寄せる。
埼玉西武は今季の開幕直前、榎田投手をトレードで獲得。阪神ではなかなか出場機会を得られていなかった左腕は、ここまで16試合の登板で8勝2敗、防御率3.18と、見事復活を遂げたと言っていい成績を残している。
小川投手と榎田投手は同じセ・リーグで活躍した中継ぎ左腕であり、実績がありながら満足な登板機会が得られなかったところも含めて共通点が少なくない。直近の「成功例」と同様に、小川投手も環境の変化をきっかけとしたいところだ。
まだ26歳。プロ野球選手としてのキャリアは、まだまだこれからという年齢だ。2013年には、フィリピン代表としてWBC予選で先発マウンドを踏んだ経歴も持つ左腕は、培ってきた経験を生かし、リーグ優勝へ突き進むチームを後押しすることができるだろうか。
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