小島和哉・鈴木昭汰・小川龍成が振り返る、今年“主役”になった日

パ・リーグ インサイト 高橋優奈

千葉ロッテマリーンズ・小島和哉投手(左)鈴木昭汰投手(中)小川龍成選手(右)【写真:筆者撮影】
千葉ロッテマリーンズ・小島和哉投手(左)鈴木昭汰投手(中)小川龍成選手(右)【写真:筆者撮影】

 12月27日(金)から、千葉ロッテマリーンズのドキュメンタリー映画『MARINES DOCUMENTARY 2024 自分たちを超えてゆく。』が全国38劇場で上映される。

 19日(木)にはユナイテッド・シネマ幕張にて完成披露試写会が行われ、小島和哉投手、鈴木昭汰投手、小川龍成選手が参加した。パ・リーグインサイトでは、イベント登壇前の3選手にインタビュー。映画の見どころや、今シーズンのうち自身が“主役”になった試合について聞いた。

◇ ◇ ◇

ーー作品をご覧になっていかがでしたか?

小川「僕がちょくちょく映っていたのでうれしかったです。試合中もそうですし、インタビューの場面も。他の選手を撮っている後ろに僕が映っているだけでもうれしかったです(笑)」

ーーファンの方に注目してもらいたいポイントは。

小川「僕が好きだったところは、パーソル CS パ(進出)を決めた楽天戦の後に、ブルペンでミーティングをしたときの映像です。お気に入りなので、注目して観ていただければと思います」

小島「プレーしている姿は試合の映像を観ればわかりますけど、その裏側は……。例えば自分が投げているとき、ロッカーなどの裏側では盛り上がっているのか、どんな感じなのか。ピッチャー目線では野手の方の練習風景とか。そういうところは僕からしても気になるので、ぜひ注目してほしいです」

鈴木「一年間ずっと密着をしてもらって、僕らが143試合戦ってきた気持ちや姿がそのまま映画館で観られると思います。『今年はこういう一年だったな』と共感できると思うので、そこを観てほしいです」

ーー今季、ご自身が“主役級”の活躍を見せた試合を挙げるとしたら?

小島「前半のオリックス戦で、1対0で完封したときですね(4月5日・オリックス戦)。先発をやっているなかで、試合の最後まで投げ切ることを目指していて、なおかつ1対0というしびれる展開だったので。もともと立ち上がりは得意ではないんですけど、その日は序盤から狙ったコースに投げ切れて、真っすぐも強くて。

普段は『一人でも多く投げるぞ』という気持ちでマウンドに上がっていますけど、目標設定を高くしすぎると窮屈なピッチングになってしまうときもあるので、1イニング1イニング全力で抑えることの積み重ねだと思いながら臨んでいます」

鈴木「僕は5月26日のノーアウト満塁を抑えたときですかね。2対0だったので、2対2までは自分のなかでOKにしようという余裕を持ちながらも、いつもお世話になっている澤村(拓一)さんがつくったピンチだったので、そこは絶対抑えたいなっていう気持ちも持っていました。

先頭でゲッツーを取ったらもっと緊張しちゃって。ノーアウト満塁から2アウト2、3塁になって『せっかくここまでよかったのに、ここで2対2にされたらもったいない』という思考に変わったんです。バッターの三森(大貴)を、どうにか抑えたいと思いましたね。

この試合の前もよかったんですけど、この場面を抑えたことでより自信になりましたし、ランナーがいる場面でもいない場面でも落ち着いたメンタルで投げられたかなと思います」

小川「僕はあのサヨナラセーフティです(7月30日・埼玉西武戦)。自分らしさが出た打席でしたし、僕の決勝打で勝った試合だったので。その日は興奮してなかなか眠りにつけなかったのを覚えています。(バントは)自分の長所だと思いますし、単純に打つだけでは他の選手に勝てないと思うので、来年も周りにできないようなことをして活躍していきたいなと思います」

ーーでは、今季のマリーンズとしてのベストシーンは?

小島「僕は結構(小川選手の)サヨナラセーフティの試合が印象に残っているんですよね。あの場面、ベンチで『セーフティもおもしろいかな』とは思っていたんですけど、まさか本当にやるとは思わなくて。(小川選手が)一塁に走ってベースを踏む前に、僕はもう水を持っていこうとしていました(笑)。チーム的にもみんな盛り上がっていたと思います」

鈴木「僕はそのときブルペンで観ていて、サードの位置とかわからなかったので、さすがにバントはないかなと思っていたんですよ。しかも2アウト満塁だったので。今年(小川選手の)バッティングもよかったから打つかなと思っていたらバントで。あれちょっと(打球)強かったよね?」

小川「強かった!」

鈴木「そうだよね。『ちょっと強いぞ』と思った(笑)。あれは僕も結構興奮しましたね」

小川「僕はもう初球にセーフティを決めるしか点を取ることができないなと思っていました。基本、セーフティってファール気味でいきますけど、あのときは中に入れて『絶対ファールにしない』くらいの気持ちでした。ちょっと打球が強くなって『やばい!』と思ったんですけど、ヘッドスライディングする前に歓声が聞こえてきて。(打球が)サードの手につかないと思わなかったので『本当に点取ったのかな?』と不思議な感覚でしたね」

ーー最後に、パ・リーグインサイトの読者へ向け、ドキュメンタリー映画の魅力をアピールしてください。

小島「練習に取り組む雰囲気や選手がどういう思いでプレーしているかなど、一本の映画になって公開されます。マリーンズが好きな人はチームをもっと好きになると思いますし、マリーンズを知らない人が観ても『ちょっと気になるな』『来年試合観に行きたいな』と思えるような映画になっているので、ぜひ観てもらえたらと思います」

鈴木「僕らの一年間の戦いや普段見せない一面も出ているので、マリーンズファンの方はもちろんですが、マリーンズファンではない方も、この映画を観てマリーンズファンになってほしいなと思います」

小川「プロ野球選手はこういう考えで野球をやっているんだというところや、チームとしてこういう意識で試合に臨んでいるんだというところを、インタビューなどを通して知ることができます。マリーンズファンだけではなくて、野球が好きな人なら楽しんでいただける映画になっていると思います」

◇ ◇ ◇

ユナイテッド・シネマ幕張館内の大型バナーにサインを書いた3選手【写真:筆者撮影】
ユナイテッド・シネマ幕張館内の大型バナーにサインを書いた3選手【写真:筆者撮影】

information

■公開日
2024年12月27日(金)~

■鑑賞料金
一般:2,200円(税込)
高校生以下(障がい者手帳お持ちの方含む):1,200円(税込)

■公開劇場
全国38劇場。一覧は球団公式サイトから。

インタビュー・文 高橋優奈

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パ・リーグ インサイト 高橋優奈

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