6回82球無失点での降板には「もう1イニングいくつもりだったが…」
14日、福岡ソフトバンクの東浜巨が復帰後本拠地初登板で今季2勝目を挙げた。バックの守りにも助けられながら6回無失点。則本昂大との投手戦を展開した。
初回、いきなりの連打で無死一、三塁のピンチを背負った東浜。「割り切って投げていました。とにかく一塁ランナーだけは返さないようにしよう、と。それがああいう形になったのは大きかったですね」と振り返った。
「ああいう形」とは、1死からの柳田悠岐のスーパー返球による補殺だ。さらに2回には先頭の銀次にヒットを許しながらも、1死後に甲斐拓也が盗塁を刺しての三振ゲッツー。「ギータさんの補殺と拓也の三振ゲッツーが本当に大きかったです」と堅守に感謝した。
得意のシンカーも決して本調子ではなかった。「全然ダメだったので、シンカーに頼らずに見せ球にしました。ほかの変化球でカウントを取れたし、要所要所で真っ直ぐも決まりました」と、自分のピッチング内容を冷静に判断して試合を作っていった。
中盤からは「相手が則本なのでそんなに点は取れないと思って、どうやってリズムを作るかを考えました」という東浜は、3回以降は高い確率で初球ストライクを取り、自分のリズムで攻めていった。
6回82球という少ない球数の降板となったが「僕の中ではもう1イニングいくつもりだったんですが、あそこで代われといわれて…」と、やや消化不良な降板であったことを正直に口にした。工藤公康監督によれば「だいぶ神経をすり減らして投げていたので代えた」という。その理由に納得したのか「何とかゲームは作れたので次につながると思います」と前向きにとらえた。
右肩の不調で長いリハビリを経験した。「トレーナーさんとかに登板できない愚痴を聞いてもらったりしていました」と、筑後のスタッフに感謝すると同時に「ほかにもリハビリしている人の頑張りを見て、しっかりマウンドで結果を出さないと、という気持ちだった」と語る。
「特別な1勝になったと思います。(先発ローテに)穴をあけることなく投げることが大事」と、ここからはチームの勝利のために最後まで投げ切ることを誓った。
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