途中出場・福田選手の「一振りで」決着。福岡ソフトバンクが3位・埼玉西武を下す大きな1勝

パ・リーグ インサイト

2017.6.25(日) 00:00

大きな大きな1勝をプレゼントした。福岡ソフトバンクが25日、埼玉西武にサヨナラ勝ちし、交流戦明け最初のカードを勝ち越しで締めくくった。勝負を決めたのは、この日、代走から出場した伏兵・福田選手の一発だった。

9回裏2死1塁、崖っぷちの状況で、この日初打席の男が振り抜いた打球は、右翼席へ突き刺さるサヨナラ逆転2ランとなった。「打った瞬間入ると思いました。まさか自分が打つとは思っていなかった」。興奮冷めやらぬ表情をヒーローインタビューで見せた。プロ11年目、熾烈なレギュラー争いを繰り広げる28歳が、これ以上ないアピールに成功した。

常に、カード勝ち越しを目標に掲げる工藤監督も、この大きな勝利に喜びを隠せない。福田選手の打席について、インタビュアーから「一振りで決めろという気持ちか、後ろにつないでくれ、という気持ちか」と質問を向けられると「一振りで、と思っていました。チームの雰囲気もすごい盛り上がって、長谷川君は倒れてしまいましたが、勢いそのままに打席に入って、なんとなくいい感じだったんです」と答えた。ビハインドをひっくり返せるような独特の空気が、ベンチには広がっていたようだ。

5回までに4点のリードを許す苦しい状況。だが6回から小刻みに加点していった。絶対的4番の内川選手が離脱中で、故障明けのデスパイネ選手も万全には出られないチームの現状。だが代わりに4番に座った長谷川選手が2ランを放つなど、それぞれが諦めない姿勢を見せ、チームのムードも盛り上げていった。そして9回は守護神のサファテ投手がビハインドの状況で登板。展開に関わらず、この日は登板予定だったそうだが、埼玉西武打線で好調の秋山選手、源田選手、浅村選手を3者連続三振と完璧に抑えたこともボルテージを高めた要素だろう。

3年連続で交流戦の覇者となり、4日を空けてのリーグ戦。ここで負け越すのと、この結果は大きな違いといえる。首位を快走する楽天も北海道日本ハムを相手に勝ち越し、ゲーム差は1.5のままだが、30日からその楽天と3連戦。週明けにも内川選手の一軍登録が見込まれており、頼もしい存在の復帰も間近。前半戦を首位でターンするための、天王山となりそうだ。

記事提供:

パ・リーグ インサイト

この記事をシェア

  • X
  • Facebook
  • LINE