9月14日、ベルーナドームにて埼玉西武・岡田雅利選手の引退試合が行われた。岡田選手は「2番・捕手」で2022年6月12日以来の一軍出場。1回裏に迎えた現役最終打席は、三塁線を破る二塁打に。その後、タッチアップで3塁へヘッドスライディング。泥だらけになりながら気迫のこもったプレーでチームを鼓舞した。

　試合後の引退セレモニーでは、岡田選手の入団からこれまでの軌跡をたどる映像や、大阪桐蔭高の西谷浩一監督、オリックス・森友哉選手、東北楽天・浅村栄斗選手、中日・中田翔選手、エルネスト・メヒア氏らからのビデオメッセージがビジョンに映し出された。そして、「LIONS THANKS FESTA 2021」で岡田選手と共にMCを担当した中川家・礼二さん、チームを代表して栗山巧選手、また家族からも花束が贈呈された。

　最後に、岡田選手がファンの前であいさつ。以下、引退セレモニーでのコメント全文。

「まずはじめに、埼玉西武ライオンズ、球団の方、渡辺GM、コーチ、選手の皆さん、このような僕にセレモニーを開いていただき、本当にありがとうございます。そして、本日試合をしていただいた千葉ロッテマリーンズの皆さま、最後まで球場に残ってくれたファンの皆さま、本当にありがとうございます。

11年前、こんな僕をライオンズは指名してくださり、プロ野球生活が始まりました。すみません、頭が真っ白になりましたので読ませてください（笑）。

入団した時は、こんな世界でプレーができるのかと、毎日不安に思っていました。ここまで現役生活を続けられたのも、僕に関わっていただいた歴代の監督やコーチ、ライオンズ関係者の皆さまのおかげです。

ケガと手術、リハビリに苦しんだ数年間、たくさんサポートしてくれたトレーナーのみんなも本当にありがとうございました。11年間、大きな活躍はできませんでしたが、このような場を設けていただいたということは、僕の人柄なのでしょうか。（拍手）

皆さまに個別に感謝を伝えたいのですが、たくさんいるので、まずは両親。おやじ、小さい時から野球を教えてくれてありがとう。おかん、ずっと味方でいてくれてありがとう。しかし、もう少し強い膝がほしかったです。O脚すぎました！

そして家族。妻、本当に迷惑をかけました。ここからは自分がサポートしていけるように頑張ります。そして子どもたち、もう少し野球を見せたかったです。とわ、ライオンズに入って頑張ってください。

銀さん、入団した当初、本当にすごい捕手だと思っていました。途中行方不明になられましたが、ライオンズに戻ってきてくださって本当にありがとうございます。本音を言いますと、なんで帰ってきたんだ……。なぜ……。銀さんのせいで引退になりました（笑）。

中村さん、いつもこんな自分にバッティング指導していただき、本当にありがとうございました。いつもその笑顔、本当に癒されました。後輩として、本当に感謝しています。後輩で思い出したのですが、中村さんは僕のことを今まで大阪桐蔭と認めてくれませんでした。今日この日、どこかにいると思っています。今日、大阪桐蔭だと認めてください！

そして、栗山さん、ケガをしてから自主トレに誘ってもらったとき、本当にうれしかったです。休みの日でもトレーニング、バッティングをする姿は、まさに野球人だと思いました。栗山さんの悪いところを見つけようとしましたが、ありません。しかし、岡田雅利が引退して寂しいと思います。みなさん、栗山巧をよろしくお願いします！

そして、後輩たち。CAR3219フィールドで一緒に汗を流した時間は忘れません。本当にありがとう。銀さん、中村さん、栗山さんを目標にするのではなく、追い越してレギュラーを獲ってください。

最後になりますが、ファンの皆さん、こんな僕を最後まで応援してくださり、本当にありがとうございました！ ライオンズファンの声援はナンバーワンです。『一軍で待ってるよ！ 早く戻ってきて！』とたくさんの声をかけていただき、すごく励みになりました。ファンの皆さんの声援で、選手やチームは強くなれます。来年からは僕もライオンズファンの一員となるので、みなさんと一緒に熱い声援を送りたいと思います。そして、パ・リーグ制覇、日本一になってもらいましょう。

本当にライオンズが大好きです。11年間ありがとうございました！」

　最後に、「僕の夢を叶えさせてもらってもよろしいでしょうか？」と一丁締めの音頭を取った岡田選手。トレードマークの笑顔で場内を一周した後、ホームベース付近で2回宙に舞った。

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