開幕からセットアッパーを担うドラ1の現在地
2019年ドラフト1位で北海道日本ハムに入団した河野竜生投手。リリーフに専念した昨季は自己最多の50試合に登板し、後半戦は勝ちパターンの一員として存在感を示した。そして5年目の今季は開幕から15試合連続無失点を記録するなど、セットアッパーとして活躍。ここまでリーグトップの30ホールドを挙げ、チームのブルペンに欠かせない存在となっている。
投球の軸はカットボールとストレートの2球種
河野投手は社会人時代から多彩な変化球を武器としており、先発登板のあったプロ3年目まではカットボール、スライダー、カーブなどを使い分けていた。しかし、ブルペンに回ってからは球種を絞っていることがわかる。今季はカットボールとストレートの2球種で全体の87%程度を占め、ともに被打率2割前後の優秀な数字をマークしている。
徹底してコーナーに投げ込む
球種の数を減らしながらも安定した投球を続けている要因として、注目したいのが投球コースの変化だ。左投手のカットボールが曲がる方向である3塁側、すなわち右打者の内角と左打者の外角への投球割合は年々増加しており、今季は同じ左投手の平均と比べて11~14ポイントも上回っている。
厳しいコースを突きながらも高いストライク率をマーク
このように配球を変えながらも、カットボールのストライク率は昨季までと変わらず70%以上の高い水準をキープ。さらに今季はストレートも71.3%と、同球種のリーグ平均66.8%を上回っている。厳しいコースを狙えばボール球が増えてしまうリスクもあるが、これらの数字からは河野投手の投球精度の高さがうかがえる。
課題は右打者への対応
昨年オフの契約更改の際に、「右打者もしっかり抑えられるように、変化球の引き出しを増やしたい」と語った河野投手。その言葉通り、今季は右打者に対して第3の球種・チェンジアップの投球割合を増やしている。ここまでの成績としては左打者より多い3本塁打を喫するなど苦戦も見られるが、昨季までと比べてゴロ打球や奪三振は増加している。左右を問わず抑えることができれば、チームメートである宮西尚生投手のような鉄壁のリリーバーへと成長できるだろう。
ファン投票で選出され初出場を果たしたオールスターでは、本拠地・エスコンフィールドでの第1戦に登板し、3者連続空振り三振と圧巻の投球を披露。12球団のファンの前で自身の力を証明した。千葉ロッテとの上位争いが続く後半戦も、背番号28は持ち味を存分に発揮してくれるはずだ。
※文章、表中の数字はすべて2024年8月25日終了時点
文・データスタジアム
関連リンク
・バーヘイゲンの復帰がチームにもたらすものとは?
・移籍や配置転換をきっかけに飛躍したリリーフ投手
・こだわりレストラン級も。パ・リーグ球場のカレーライス特集
・プロ野球12球団の球場のビールの銘柄・値段を調査!
・「WE LOVE HOKKAIDO SERIES 2024」で北海道ご当地グルメフェス開催
記事提供: