延長13回に登板すると、2回をパーフェクト投球
ダイヤモンドバックスの平野佳寿投手が6日(日本時間7日)、本拠地でのフィリーズ戦で今季3勝目をマークした。延長戦にもつれ込む接戦となり、平野は同点の延長13回から登板。2イニングをパーフェクトに抑えると、延長14回裏にチームがサヨナラ勝ちし、右腕は勝利投手となった。
2点ビハインドの9回裏に追いつき、延長戦へと持ち込んだダイヤモンドバックス。同点のまま試合が進むと、延長13回に7番手として平野がマウンドへ。わずか11球で3者凡退に仕留めると、その裏にはメジャーでの初打席に立った。
1死からアビラが右翼線への二塁打を放ち、平野に打順が巡ってきた。残る控え野手は捕手のマーフィー1人だったこともあり、そのまま右腕は打席へ。さすがに安打とはいかなかったが、進塁打となる一塁ゴロを放ち、スタンドのファンからはスタンディングオベーションが巻き起こった。
後続が倒れて得点はならず、試合は14回へ。続投した平野は2イニング目も右飛、左飛、右飛のパーフェクト投球。チームに流れを呼び込むと、直後の攻撃で1死からペラルタが左中間スタンドへのソロ本塁打。見事なサヨナラ勝ちを収め、平野には3勝目が転がり込んだ。
試合後、ダイヤモンドバックスのトーリ・ロブロ監督も、平野のメジャー初打席について言及。試合を中継した地元テレビ局「FOXスポーツ・アリゾナ」が会見の様子を紹介し、指揮官は「ここ4~5年位打席に立っておらず、キャリアでも数えるほどしか打席に立っていない彼が、打席に立たせてくれと私に志願してきたんだ。彼に『NO』と言い続けたのだが、得点圏に走者がいる場面で打席が回ってきて、土壇場で『出来るのか?』と彼に言ったんだ。彼がバットにボールを当てたというのは、奇跡だ」と驚きいっぱいに語った。
会見の中で「平野がもしサヨナラ打を打っていたら?」と問われ「アリゾナダイヤモンドバックス史における、非常に価値のある瞬間になっていたことだろう」と笑顔で答えた指揮官。平野の打席は2017年6月19日の交流戦DeNA戦以来、日米通じて通算で22打席目だった。
「彼は打席に立つ機会が無かったり、アメリカに来てから練習することさえ全く無かった。『このクレイジーなアメリカ人は、全く経験がないことを自分にやらせようとしている』と彼はおそらく考えていたんだろうね。彼が素晴らしい努力をしてくれたおかげで、素晴らしい結果が生まれたんだ」とロブロ監督。予想以上の結果に、改めて平野を称賛していた。
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