北海道日本ハムとのゲーム差は3.5に、5回で榎田を代えた継投もピシャリ
埼玉西武 7-4 北海道日本ハム(5日・メットライフ)
パ・リーグ首位に立つ埼玉西武は5日、1勝1敗で迎えた2位・北海道日本ハムとの首位攻防第3ラウンドに7-4で勝利した。1-4で迎えた2回、復調した8番・中村が2試合連続となる14号3ランを放ち同点に追いつくと、5回には、6番・外崎も14号3ランを放ち、勝ち越しに成功。6回から継投に入った投手陣が毎回ランナーを出しながらも要所を締め、北海道日本ハムとのゲーム差を再び3.5に広げた。
辻監督が「サンペイだよ。あの3ランだよ」と振り返ったのが、中村剛也の同点3ラン。昨夜も完敗ムードを一変させた本塁打を放った中村に賛辞を送っていた指揮官が、この日も「試合の流れからいって、2回表に4点とられた直後の同点弾。勇気の出るホームランだったね」と絶賛した。
そして、「何かをやってくれる」と辻監督が評価する外崎の14号「アップルパンチ」3ランが飛び出し、5回裏に勝ち越しに成功した埼玉西武。ここから指揮官は勝負に出る。
先発・榎田の同点に追いついた後の投球に「最初はイマイチだったけど3回以降いい感じになってはいた」と手応えを感じていたが、「球数も多かったことと、打順の巡りあわせも考えて『ここまできたら勝ちたい』と思って」と6回から継投に入った。
打撃好調の4番・中田から始まる6回表のマウンドを任されたのは、苦しい時期を越え、這い上がってきた平井。「一番大事なところで平井かなと。彼も調子が良くなってきているので。あの場面は中軸を抑えることが一番大事」という指揮官の信頼を背負ってマウンドに登った右腕は、その思いに応えるように中田、レアードを連続三振に斬って取った。
デストラーデ氏が来場「球場を盛り上げてくれた」
しかし、「右打者にはいい球を投げるのに、左だとなんでそうなるの?」と辻監督も首をひねったのは、6番・アルシアへの四球。
「あそこで四球でランナーを貯められるのが、一番嫌な気持ちになる。3点差だから1発打たれても大丈夫。そういう気持ちなら、もっと楽に投げられる。そこは、このあと話します」。アルシアの走塁死に助けられて失点につながらなかったからこそ、注文をつけることも忘れなかった。
さらに、8回に齊藤大から2死1塁でワグナーに継投した場面については「(中田にストレートの四球で)ヒヤヒヤものだったよ。一発食らえば同点だしね」と内心穏やかではなかったことを打ち明け、「まあ、今後勝つためには、こういう形も作らなければいけないんだけどね。イニング内で左2人を抑えて、右打者ひとりを抑えてくれればという継投だったんだけど。ゲーム後半の四球はいただけない」と課題のリリーフ陣に苦言を呈した。
この日は黄金期を共に戦ったデストラーデ氏が来場。試合前に旧交を温めていた辻監督。「うるさくて(笑)。でもよかったです。オーレが来てね。球場を盛り上げてくれて、また勝てたので非常によかった」と戦友に捧げる勝利を喜んでいた。
苦しい試合が予想されていたホーム6連戦を4勝2敗と勝ち越した埼玉西武。来週からはロード6連戦となる。
指揮官は「これまでの戦いと同じく『一戦必勝』。1試合1試合を大事に戦っていきたいと思いますし、諦めることなく最後まで戦いたいと思います」と最後に表情を引き締めていた。
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