登録期限まで2日…7月だけで26選手に動き。駆け込み補強の多さは混戦の証?

Full-Count

2018.7.30(月) 16:39

トレードで移籍となったオリックス・白崎浩之(左)と千葉ロッテ岡大海【写真:荒川祐史、細野能功】
トレードで移籍となったオリックス・白崎浩之(左)と千葉ロッテ岡大海【写真:荒川祐史、細野能功】

セ・パ両リーグともに混戦模様の今シーズン

プロ野球界は後半戦に入り、連日、熱戦が繰り広げられている。セ・リーグは広島が首位を快走しているが、2位以下の団子状態は変わらず。どのチームにも優勝、そしてクライマックスシリーズ進出の可能性が残されていると言っていい。

パ・リーグも上位5球団に十分に優勝の可能性が残されているどころか、後半戦に入って最下位の東北楽天が猛追を開始。全6球団に3位以上のクライマックスシリーズ(CS)進出の可能性が見えている。

8月が間近に迫るというのに、これほどまでに数多くの球団が僅差で競っていることも珍しい。ここから先、リーグ優勝、そしてCS進出を掴むチームは一体どこになるのか、全くもって予想がつかない状況だ。

7月も残すところ2日となり、各球団の支配下登録期限が31日に迫っている。そんな混戦模様も要因の1つだろう。今季は登録期限が目前に迫る7月に入ってから、各球団の駆け込み補強が一段と活発だ。

金銭を含むトレードが5件成立し、新外国人補強、そして育成から支配下への昇格も行われた。そこで、ここでは各球団が7月に入ってから行った補強を見ていこう(球団発表に基づく)。

【パ・リーグ】
○埼玉西武
小川龍也(中日、金銭トレード)
カイル・マーティン(レッドソックス傘下)

○北海道日本ハム
藤岡貴裕(ロッテ、トレード)

○千葉ロッテ
岡大海(日本ハム、トレード)

○福岡ソフトバンク
アリエル・ミランダ(マリナーズ)
美間優槻(広島、トレード)
松田遼馬(阪神、トレード)
大竹耕太郎(育成)

○オリックス
高城俊人(DeNA、トレード)
白崎浩之(DeNA、トレード)
ドン・ローチ(ホワイトソックス傘下)
岩本輝(BCリーグ福井)

○東北楽天
石橋良太(育成)

全6球団が補強に動いたパ・リーグの中でも、特に積極的なのは福岡ソフトバンクだった。新助っ人として米マリナーズから左腕ミランダを獲得。広島から美間、阪神から松田遼をトレードで補強し、29日には育成ルーキーの大竹耕太郎の支配下昇格を発表した。

支配下登録期限が迫る中で、福岡ソフトバンクがこれほど補強に動くことは珍しい。支配下登録は上限いっぱいの70人に。故障者が続出し、3位と4位を行き来しているチームの窮状を表していると言っていいだろう。

首位に立つ埼玉西武は最大の弱点となっているリリーフ陣を補強。中日から金銭トレードで中日から左腕の小川龍也、そしてレッドソックス傘下からカイル・マーティンを獲得。ピンポイントで弱点の補強を乗り出したところに、今季、埼玉西武の優勝を狙う本気度がうかがえる。

北海道日本ハムと千葉ロッテはそれぞれ、人材にややダブつきのあるポジションと手薄なポジションのニーズが合致。岡大海と藤岡貴裕の交換トレードを成立させた。

セ・リーグは横浜DeNAが積極補強

【セ・リーグ】
○広島
ジョニー・ヘルウェグ(パイレーツ傘下)
曽根海成(ソフトバンク、トレード)

○東京ヤクルト
古野正人(育成)

○巨人
クリストファー・クリソストモ・メルセデス(育成)
ホルヘ・マルティネス(育成)

○横浜DeNA
中後悠平(ダイヤモンドバックス傘下)
伊藤光(オリックス、トレード)
赤間謙(オリックス、トレード)
田村丈(育成)

○阪神
飯田優也(ソフトバンク、トレード)
歳内宏明(育成)

○中日
福敬登(育成)
ジョエリー・ロドリゲス(オリオールズ傘下)

セ・リーグも7月30日に東京ヤクルトが古野の支配下復帰を発表し、全6球団が7月に入ってから補強を敢行した。巨人は育成選手だったメルセデス、マルティネスを支配下に昇格させ、すでに1軍で戦力となっている。6月に支配下昇格となったアダメスとともに、今季は実に3人の育成外国人を昇格させた。

横浜DeNAはトレードで伊藤光と赤間謙を獲得。伊藤は早速、正捕手となりチームの戦力となっている。阪神は福岡ソフトバンクから飯田をトレードで獲得。飯田は先発、中継ぎどちらでも投げられる。左腕はチームにとって不足がちなポジションで、そこを埋める存在だ。

30日には阪神が歳内を支配下とした。中日も左腕ロドリゲスをチームに加え、崩壊していたリリーフ陣の強化を図った。

登録期限の迫る7月の補強。今季はここまで26選手に動きがあった。2017年はトレードは4件(6人)、育成からの支配下昇格は7人、新外国人加入は2人。2016年はトレードはわずか1件(2人)、育成からの昇格は9人、新外国人加入は5人、2015年はトレードは1件もなく、支配下昇格は5人、そして新外国人加入は6人だった。

過去3年と比べると、今季はやはり各球団の補強がかなり積極的に行われていることが分かる。どの球団にも上位に進出を狙っている意思表示と言えるだろう。果たして、この駆け込み補強がどういった効果を生むか。残り2か月ほどのペナントレースに注目だ。

記事提供:Full-Count

記事提供:

Full-Count

この記事をシェア

  • X
  • Facebook
  • LINE