差別撤廃を唱うMLBの“失態”に米メディアも厳しく反応
27日(日本時間28日)にMLB公式ツイッターが、マリナーズのイチロー会長付特別補佐とエンゼルス大谷翔平投手が握手する写真をツイートし、そこに添えられたキャプションが「人種差別的だ」と問題になった。公式ツイッターではすぐに当該ツイートを削除したが、1日立ってもなおアメリカでは各方面で議論されているようだ。ボストンのテレビ局「NESN」公式サイトでは、「MLBツイッターが人種差別と酷評される」のタイトルで特集記事を掲載した。
そもそもの騒動は、MLB公式ツイッターがイチローと大谷が握手する写真に「スパイダーマン同士が指を差し合うミーム」という言葉を添えたことにある。米人気コミック「スパイダーマン」に登場する場面の中で、偽者スパイダーマンが本物のスパイダーマンと鉢合わせし、互いに指を差し合うものがある。これを受けて、米国ではよく似た人や状況、場所などが同時に存在する場合や、比較する場合に「スパイダーマン同士が指を差し合うミーム」という言葉を使う。つまり、読み方によっては「日本人は見た目が一緒」と解釈される場合もある。
このツイートに気が付いたMLB公式サイトや「ジ・アスレチック」などに寄稿するキム・スンミン氏が「有色人種をもっと雇え」とリツイート。すると、MLBはツイートを削除したが、すでにスクリーンショットなどが拡散した後だった。
記事では、MLB公式ツイッターが写真に添えたキャプションを「問題の見出し」とし、「オオタニとイチローの共通点はほとんどない。何より、この2人が日本人だからと言って、瓜二つということにはならない」と断言。さらに、日頃から差別撤廃を掲げるMLBによる“失態”に対する米国内の反応を紹介した。
「ヒドイのは彼らが消去したことだ。認めもせず、なかったかのように振舞っている」
「なんてことだ。恥ずべきだ」
「このMLBツイッターを運営している人にはがっかりだよ」
MLBが公式見解を出す用意があるのか、現時点では不明だが、国際化を目指すMLBだけに1日も早くこういった騒動がなくなることを願いたい。
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