2024シーズンが開幕を迎え、今季も各球団が143試合にわたり、熱戦を繰り広げる。その中で年に数試合、本拠地以外の球場で行われる地方球場での試合も、プロ野球の魅力の一つだ。
今季はパ・リーグ4球団が計13球場で16試合(パ・リーグ主催の一軍公式戦のみ)の開催を予定している。今回は凱旋選手など、注目ポイントをピックアップして紹介していこう。
東北楽天主催試合
・秋田:5月8日(水)対オリックス
・福島:5月31日(金)対東京ヤクルト
・山形:6月28日(金)対埼玉西武
・弘前:7月2日(火)対オリックス
・盛岡:7月3日(水)対オリックス
東北楽天は球団創設20年目を記念し、一軍公式戦主催試合を東北全県で開催を予定している。秋田のこまちスタジアムは、2年ぶり12回目の開催だ。前回開催となった2022年6月21日の試合では、地元出身の吉田輝星投手(当時北海道日本ハム)が先発マウンドに上がり、球場が大きな拍手に包まれた。その吉田投手は今季からオリックスへ移籍。再びの凱旋登板となるか、注目したい。
5年ぶり15回目の開催となる福島県では、福島県営あづま球場にて予定されている。同球場は、2020東京オリンピックの野球・ソフトボールの予選会場としても使用された。7月3日に開催予定の盛岡きたぎんボールパークは、昨年に開業。プロ野球公式戦初開催となった2023年5月の試合では、東北楽天・山崎剛選手が新球場第1号をマークするなど、3本のホームランが生まれ、盛岡のファンを湧かせた。数多くのスター選手を輩出している岩手県。今年も熱戦に期待だ。
埼玉西武主催試合
・大宮:4月9日(火)対千葉ロッテ、6月26日(水)対北海道日本ハム
・前橋:8月20日(火)対オリックス
埼玉西武は、県営大宮球場で2試合、前橋の上毛新聞敷島球場で1試合の計3試合を開催予定。昨年4月に行われた大宮での千葉ロッテとの一戦では、今井達也投手が7回まで無安打に抑えるなど、9回138球2安打11奪三振無失点で完封勝利をマークした。
一方の前橋では、2019年以来5年ぶりの開催となる。地元出身の高橋光成投手は、2016年・2019年の2試合で凱旋登板を果たしているが、いずれも白星とはならなかった。3年連続2桁勝利を挙げているエースは、今季こそ故郷に錦を飾ることができるか。
オリックス主催試合
・那覇:5月14日(火)15日(水)対千葉ロッテ
オリックスは5月14日、15日に沖縄セルラースタジアム那覇で、千葉ロッテとの2連戦が予定されている。沖縄県での主催試合は8年ぶり。前回開催の2016年7月の試合では、同県出身の大城滉二選手が先制犠飛を放つなど、勝利に貢献する活躍を見せ、地元のファンを湧かせた。大城選手に加え、宮城大弥投手、比嘉幹貴投手、宜保翔投手と多くの沖縄出身の選手が在籍するオリックス。4選手の凱旋も楽しみだ。
福岡ソフトバンク主催試合
・熊本:4月9日(火)対北海道日本ハム
・北九州:4月11日(木)対北海道日本ハム、6月21日(金)対千葉ロッテ
・宮崎:5月11日(土)対オリックス
・鹿児島:5月12日(日)対オリックス
・長崎:8月28日(水)対オリックス
福岡ソフトバンクは、「ファイト!九州デー」と題し、熊本・宮崎・鹿児島・福岡・長崎の九州5県で開催を予定している。各試合では、九州各地で湧き起こる “熱” をコンセプトにした「熱気」デザインに、レボリューションイエローの「熱気」が九州全体を結び付け、大きなエネルギーになるという願いが込められた、限定ユニフォームが配布される。
また北九州市民球場の試合では、10試合で打率.429、4本塁打、12打点(レギュラーシーズンのみ)を誇る甲斐拓也選手の活躍に期待がかかる。3月2日に行われた同球場でのオープン戦では、元同僚でもある横浜DeNA・森唯斗投手から逆転3ランを放っており、今季も球場との相性は健在のようだ。頼れる北九州男の一打に注目したい。
さらに見どころは試合だけでなく、球場内外の演出にもある。4月9日の熊本の試合では、球場近くにある熊本城の天守閣が黄色にライトアップされる。5月11日の宮崎の試合でも、5回裏終了後に花火100発を打ち上げが予定されており、地方開催ならではの演出にも期待だ。
さまざまな楽しみ方ができる地方球場ゲーム
凱旋選手への大きな歓声、球場のどこか懐かしい雰囲気、ご当地グルメなど、本拠地とは一味違った光景を味わうことができる点も地方球場の良さ。多彩な楽しみ方がある地方開催試合で、今年も熱戦を期待したい。
文・杉森早翔
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