【試合戦評】先発・野上投手が8回途中2失点の力投も打線が沈黙。昨季セ覇者に敗れ埼玉西武が初戦を落とす

パ・リーグ インサイト

2017.5.30(火) 00:00

全18試合で行われる「2017年度 日本生命セ・パ交流戦」の開幕戦。パ・リーグ3位の埼玉西武とセ・リーグ1位の広島の3連戦初戦の先発は埼玉西武が野上投手、広島が薮田投手である。

昨季の悔しさを晴らすように今季は安定した投球を続けている野上投手。前回登板では6回無失点に抑えて完封リレーの一翼を担った。広島はチーム打率.278、同本塁打数44本と、いずれもセ・リーグトップの数字を叩き出している。また、過去5年間の交流戦で埼玉西武は広島に5勝13敗と、特筆して相性が悪い。野上投手をはじめとした投手陣は、破壊力抜群の広島打線を相手に普段の投球が披露できるか。また、パ・リーグ屈指の強打を誇る埼玉西武打線と広島打線、どちらがより多くの快音を響かせるのか、注目が集まる。

初回、野上投手は先頭打者から空振り三振を奪うなどして、広島打線を3者凡退に抑える。順調な立ち上がりを披露するが、対する薮田投手も走者こそ出すものの要所を締める投球で得点を許さず、序盤は投手戦でスコアボードの0を刻み続ける。

試合が動いたのは4回表。1死2塁のピンチで3番・丸選手に適時打を浴び、埼玉西武が1点を先制される。

3回までの野上投手について、土肥投手コーチは「投球のテンポもストレートのキレも、ともに良いね。中盤以降も大胆に攻めていってほしい」とコメント。その言葉通り、野上投手は先制を許したとはいえ、5回表から3イニングス連続で広島打線を3者凡退に打ち取るなど奮闘する。しかしその後も埼玉西武打線は、薮田投手から得点を奪うことができない。

再び試合が動いたのは試合終盤の8回表。2番・菊池選手の適時打で1点を追加され、0対2。9回表にも3点を失い、埼玉西武が5点を追う展開で最後の攻撃へ。しかし、反撃を封じられて試合は0対5で広島が勝利した。先発の野上投手は7回2/3を投げて被安打5、奪三振4、与四球2、失点2と、充分に先発の役割を果たしたが、埼玉西武打線が広島投手陣を打ち破ることができなかった。

交流戦における両チームの相性を証明するような悔しい敗戦となったが、残されたあと2試合で連勝し、首位・楽天を追っていきたい。

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