ケガからの復活へ。2024年に再起をかける選手たち

パ・リーグ インサイト

2024.3.11(月) 11:00

千葉ロッテマリーンズ・高部瑛斗選手(左)、福岡ソフトバンクホークス・モイネロ投手(右)(C)パーソル パ・リーグTV
千葉ロッテマリーンズ・高部瑛斗選手(左)、福岡ソフトバンクホークス・モイネロ投手(右)(C)パーソル パ・リーグTV

 ケガはプロ野球選手にとって避けられない試練だ。ケガによってシーズンを棒に振ってしまうことも多い。

 それでも、復帰後にそれまで以上の活躍を見せる選手も少なくない。今回は、今シーズンにケガからの復活が期待される選手をピックアップして紹介していく。

富山凌雅(オリックス)

富山凌雅投手 年度別成績(C)PLM
富山凌雅投手 年度別成績(C)PLM

 富山凌雅投手はプロ2年目の2020年、18試合に登板し頭角を現す。続く2021年には自身初の開幕一軍。チームトップの51試合に登板し、セットアッパーとしてチームのリーグ優勝にも貢献した。

 しかし、翌2022年には新型コロナウイルスに感染した影響もあり、開幕は二軍で迎える。その後、4月29日の埼玉西武戦で一軍登板を果たしたが、左肘痛の影響で大きく成績を落とし、チームの日本一の輪には入れなかった。

 2022年オフに戦力外通告を受け、トミー・ジョン手術を敢行。その後育成契約を結び、翌2023年に二軍で実戦復帰を果たす。今季中に支配下復帰し、一軍での元気な投球を誰もが待ち望んでいるはずだ。

高部瑛斗(千葉ロッテ)

高部瑛斗選手 年度別成績(C)PLM
高部瑛斗選手 年度別成績(C)PLM

 高部瑛斗選手はプロ2年目の2021年にイースタン・リーグで盗塁王を獲得する。翌2022年には初の開幕スタメンをつかみ取った。同年7月21日、埼玉西武戦で自身2度目のサヨナラ打を放ち、月間サヨナラ賞を受賞。

 最終的には137試合に出場し、打率.274、リーグ2位の148安打、44盗塁で盗塁王を獲得。ゴールデングラブ賞にも輝き、飛躍の1年となった。

 しかし、続く2023年は開幕前に右肩甲下筋肉離れを発症し離脱。その後4月にファームで実践復帰するも、右肩甲下筋を損傷してしまう。9月には手術も受け、最後まで一軍の試合に出ることはなかった。完全復活を期す今季は激しい外野手争いを勝ち抜き、再びレギュラー定着を目指す。

モイネロ(福岡ソフトバンク)

モイネロ投手 年度別成績(C)PLM
モイネロ投手 年度別成績(C)PLM

 モイネロ投手は2017年に育成選手として入団し、同年6月に支配下登録された。その後リリーフの柱として毎年大車輪の活躍を見せ、2017年から2020年までチームの日本一4連覇に貢献。

 特に2020年には50試合に登板、38ホールドを記録し、自身初の最優秀中継ぎ投手賞を獲得した。2022年は抑えを任され、53試合、24セーブ、防御率1.03と圧倒的な成績を収めている。

 2023年も安定した投球を見せていたが、7月8日に左肘関節炎で抹消され、26日には手術を受けた。その後一軍登板はなく、シーズン終了。先発に挑戦する今季、怪我を乗り越えた剛腕の新しい姿に注目だ。

西垣雅矢(東北楽天)

西垣雅矢投手 年度別成績(C)PLM
西垣雅矢投手 年度別成績(C)PLM

 西垣雅矢投手は2022年にルーキーながら開幕一軍入りを果たし、リリーフで24試合に登板。防御率2.66と好成績を収めた。

 翌2023年はキャンプ前に下半身のコンディション不良を訴え、開幕は二軍で迎える。その後4月11日に一軍登録されるが、4月21日に登録抹消。5月下旬以降は胸部出口症候群に悩まされ、投球もままならない状態に。最終的に、一軍では4月12日の対オリックス戦で0.1回1安打2四死球3失点で降板した1登板に終わる。

 しかし、9月5日以降は二軍での登板を重ね、怪我からの順調な回復ぶりを見せた。この春のキャンプでは一軍メンバーに選ばれ、球団からも期待されていることがわかる。西垣投手が復活を果たせば、昨季頭角を現した渡辺翔太投手らと共に鉄壁の中継ぎ陣を形成できることになりそうだ。

岡田雅利(埼玉西武)

岡田雅利選手 年度別成績(C)PLM
岡田雅利選手 年度別成績(C)PLM

 岡田雅利選手は、2013年のドラフト6位で埼玉西武に入団。1年目から一軍で出場機会を得て22試合に出場する。その後は炭谷銀仁朗選手や、森友哉選手のバックアップとしてチームに欠かせない存在に。

 また、犠打の技術に優れ、試合終盤の大事な場面では「ピンチバンター」としてチームに貢献。しかし、2022年は膝の調子が芳しくなく、左膝の手術を敢行。その影響でわずか1試合の出場に終わる。翌2023年も大腿骨・脛骨骨切り術を受け、シーズンの全てをリハビリに費やした。

 岡田選手は、埼玉西武に復帰した炭谷選手と共に、古賀悠斗選手や柘植世那選手など若手捕手に大きな刺激を与えるだろう。ファンからも、チームメイトからも愛される岡田選手の復活を心から待っている。

堀瑞輝(北海道日本ハム)

堀瑞輝投手 年度別成績(C)PLM
堀瑞輝投手 年度別成績(C)PLM

 堀瑞輝投手は高卒1年目の2017年から一軍で登板を果たし、2年目にプロ初勝利を挙げる。リリーフに転向した2019年はショートスターターなどさまざまな役割を全うした。

 そして2021年は60試合、39ホールド、防御率2.86という好成績を残す。また、リーグ最多の42ホールドポイントを記録し、最優秀中継ぎ投手賞を受賞した。しかし、翌2022年は4年連続の40試合以上登板を果たしたものの左肩痛に苦しみ、41試合、11ホールド、防御率5.82と精彩を欠いた。

 2023年は4月26日のオリックス戦では3者連続弾を浴びるなど、本来の投球からは程遠い状態に。結局、この年は5試合の登板に終わる。堀選手の完全復活はチームにとって必要不可欠だ。もう一度2021年のような圧倒的な投球に期待したい。

ケガから完全復活を果たし、チームのウィークポイントを補う存在となれるか

 今回取り上げた選手たちは、怪我から完全復活を果たせればチームのウィークポイントを補う力を保持している。各球団の最終目標である「リーグ優勝」「日本一」の達成には、彼らの復活が大きな意義を持つはずだ。

 今季はケガなく思い通りのプレーが出来ることを願って止まない。

文・佐藤大暉

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