抜群のスプリットを操る2年目右腕・荘司康誠は、ローテの柱へ死角なし

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東北楽天・荘司康誠投手(写真は2023年時) 【写真:球団提供】
東北楽天・荘司康誠投手(写真は2023年時) 【写真:球団提供】

1年目から一軍でローテーションを経験

荘司康誠投手 2023年投手成績(C)PLM
荘司康誠投手 2023年投手成績(C)PLM

 2022年のドラフト1位で東北楽天に入団した荘司康誠投手。1年目の昨季は4月下旬から先発ローテーションに定着し、デビューから9登板目となる7月5日に待望のプロ初勝利をマーク。以降は負けなしでシーズンを完走し、投球回はチーム4位の109回2/3を記録するなど、確かな手応えをつかむルーキーイヤーを過ごした。

投球を支える決め球・スプリット

荘司康誠投手 2023年のストライクカウント・球種別投球割合(C)PLM
荘司康誠投手 2023年のストライクカウント・球種別投球割合(C)PLM

 荘司投手の球種別投球割合を見てみると、全体の約半数を速球が占めている。そこにスプリット、カットボール、緩いカーブを織り交ぜる投球スタイルだが、それらの持ち球の中で今回注目したいのがスプリットだ。

 2ストライクと打者を追い込んだ後のスプリット投球割合は30.9%を記録し、奪った三振の数は変化球の中で最も多い33個。150キロ前後の力強いストレートと並び、ウイニングショットとしてピッチングを支えている球種の1つといえるだろう。ここからは、そんな荘司投手のスプリットの特徴をパ・リーグの投手陣と比較しながら探っていく。

好投手を差し置いてトップのストライク率を誇るフォーク・スプリット

2023年パ・リーグ フォーク・スプリットのストライク率ランキング(C)PLM
2023年パ・リーグ フォーク・スプリットのストライク率ランキング(C)PLM

 荘司投手のスプリットでまず際立ったのはストライク率だ。同じく沈む球を武器とするパ・リーグの好投手を抑え、ストライク率はリーグトップの70.8%をマークしていた。

 また、打者を追い込む前である0・1ストライク時にはスプリットを16.0%の割合で投じていたが、その際も71.4%と高いストライク率を記録。ストライクを取ることを苦にせず、カウント球としても有効な球種となっていたことが分かる。

ボールゾーンで振らせる割合はリーグ上位

2023年パ・リーグ フォーク・スプリットのボールゾーンスイング率ランキング(C)PLM
2023年パ・リーグ フォーク・スプリットのボールゾーンスイング率ランキング(C)PLM

 続いて注目したいのがボールゾーン投球時のスイング率だ。荘司投手のスプリットはボールゾーンスイング率がリーグ上位の52.4%と高い確率でスイングを誘うことに成功していた。

 さらに、追い込まれた後に比べて打者が手を出しにくい0・1ストライク時でも、リーグ平均が36.1%なのに対して荘司投手のスプリットは47.8%をマーク。ボールゾーンへの投球が簡単にはボールにならないことで、前述の高いストライク率に結びついている。

リーグ屈指の打たれない球種に

2023年パ・リーグ フォーク・スプリットの被打率ランキング(C)PLM
2023年パ・リーグ フォーク・スプリットの被打率ランキング(C)PLM

 ボールゾーンの変化球を振らせることは、打者に本来のバッティングをさせないことにつながる。難しいボールを数多く振らせたことで、スプリットは被打率.165という好結果を残した。

 また、フォーク(スプリット)の打数が100以上のパ・リーグ投手陣の中で、同球種の被本塁打がゼロだったのは荘司投手と千葉ロッテ・佐々木朗希投手の2人のみ。リーグ屈指の良質なスプリットは、これからも荘司投手の大きな武器となるはずだ。

 東北楽天は昨季まで守護神を務めていた松井裕樹投手がメジャーへ移籍。それに伴う則本昴大投手のクローザー転向などもあり、2年目を迎える荘司投手には先発陣の中心となることが期待されている。規定投球回到達と2ケタ勝利を目標に掲げて挑む今季は、自慢のスプリットで相手打線を手玉に取り、ローテーションの柱としてさらなる躍進を果たす。

※文章、表中の数字はすべて2023年シーズン終了時点

文・データスタジアム

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