先発転向の平良海馬が11勝など3投手が2桁勝利【埼玉西武ライオンズ2023:投手編】

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2023.12.23(土) 17:00

左から平良海馬投手、高橋光成投手、今井達也投手【写真:球団提供】
左から平良海馬投手、高橋光成投手、今井達也投手【写真:球団提供】

 埼玉西武の2023シーズンは、65勝77敗1分の5位で終わった。開幕直後は好調も、交流戦で6勝12敗と苦戦を強いられ、7月前半には8連敗を記録。それでも9月には14勝10敗と勝ち越し、来季へ希望を感じさせた。

 本記事では、投手編、野手編に分け、埼玉西武の2023シーズンを振り返っていく。

今季も安定した先発陣。3投手が2桁勝利を達成

 チーム防御率はリーグ2位の2.93と、昨シーズンと同様に投手陣が奮闘。先発では高橋光成投手、今井達也投手、平良海馬投手が2桁勝利をマークした。

 3年連続の開幕投手に指名されたのは、エース・高橋光成投手。開幕戦では勝敗つかずも8回1失点と力投し、その後は自身3連勝と好調な滑り出しを見せる。4月22日のオリックス戦では、9回125球2失点の投球で今季初完投も記録した。

 調子を落とす場面もあったが、3年連続の2桁勝利はクリア。結果的には10勝8敗、防御率2.21(リーグ2位)、シーズン4完投(リーグ1位)、2完封(リーグ2位タイ)をマーク。規定投球回到達も4年連続となり、先発としてフル稼働した。

 今井投手は、今季から昨年現役を引退した武隈祥太氏が背負っていた背番号「48」に変更した。シーズン初戦となった4月4日に7回無失点で今季1勝目を手にすると、4月13日の千葉ロッテ戦では、8回途中まで無安打ピッチングを続ける快投で完封勝利。順調そうに見えたが、5月には打ち込まれる場面も続き、6月は再調整に費やすことに。

 しかし、7月4日に一軍へ復帰すると、3勝0敗、防御率0.62で自身初の月間MVPを獲得。その後は初の2桁勝利にも到達し、10勝5敗、防御率2.30の成績を残した。与四球数は「61」とリーグ最多タイながら、被打率は.192と100イニング以上投球した投手の中で最も低く、持ち味である球威抜群の“荒れ球”が発揮されたといえる。

 2022年シーズンは最優秀中継ぎのタイトルにも輝いた平良投手だったが、今季から志願の先発転向。オープン戦では4登板で17イニング無失点と結果を残し、開幕ローテーションへ入った。開幕3戦目のオリックス戦では勝ち負けつかずも7回1失点、次回登板となった4月11日の千葉ロッテ戦で6回2失点と好投し、先発としての1勝目を挙げた。

 3年連続となるオールスターへも出場。シーズンを通じて安定した投球を続け、規定投球回にも到達した。結果としてチームトップの11勝を挙げ、防御率2.40、リーグ3位の153奪三振と先発でも活躍できることを証明したシーズンとなった。

念願の“プロ2勝目”に初完封……成長見せた隅田知一郎

 確かな成長を感じさせたのは2年目・隅田知一郎投手だろう。昨季はプロ初登板初先発で初勝利するも、そこから自身12連敗と白星を挙げられずにいた。ようやく勝利が舞い込んできたのは4月19日の福岡ソフトバンク戦。毎回走者を背負いながらも6回1失点の粘投、念願の“プロ2勝目”をマークした。

 さらに8月9日の北海道日本ハム戦では、9回132球5安打11奪三振の力投でプロ初の完投・完封勝利。惜しくも2桁勝利とはならなかったが、22試合で9勝10敗、防御率3.44、128奪三振とキャリアハイを更新し、シーズンを完走した。

 昨季、2桁勝利をマークした與座海人投手とエンス投手はあわせて3勝止まり、ローテーションの一角を務めた松本航投手も20試合で6勝8敗、防御率3.47とやや物足りない数字となってしまったものの、全体としては安定していた先発陣だった。

不振、病気、故障…… 受難続いたリリーフ陣

 先発陣が充実した一方で、リリーフ陣は苦戦した。平良投手の先発転向に加え、昨季ともに安定感を誇った水上由伸投手、増田達至投手が春先から不調。増田投手は40試合で防御率5.45、19セーブにとどまり、水上投手も調整を経て再合流したのは7月以降、23試合で防御率2.12、5Hとなった。本田圭佑投手もまた、安定しつつも25試合と登板数を減らした。

 その中で、変わらず腕を振り続けたのは平井克典投手だ。夏場にかけて打ち込まれる試合もあったが、大きく崩れることはなかった。最終的にはチームトップの54試合に登板して4勝3敗、28H、防御率2.55の好成績。オフにはFA宣言するも、残留を決断した。

 平井投手に次いで登板が多かったのは、今季からリリーフへ転向した佐藤隼輔投手。5月までは防御率1点台を維持し、一時はセットアッパーを任されることも。調子を落として中盤には抹消される期間もあったが、47試合に投げ防御率2.50、18Hを記録した。また、新加入のティノコ投手は、佐藤隼投手とともに序盤の勝ちパターンを務めるなど、38試合を投げた。

 序盤のブルペンを支えたのは森脇亮介投手と佐々木健投手だったが、途中で無念の離脱となった。7月までに31試合に登板し防御率1.95、12Hを挙げていた森脇投手は、右上腕動脈閉塞症が判明、手術を受けて長期離脱することに。21試合で防御率0.87と存在感を示していた佐々木投手も左肘を痛め、メスを入れた。

 入れ替わるように後半戦で活躍したのは田村伊知郎投手だ。9月には11試合で防御率0.79、5H1Sをマークする活躍でチームに貢献。7月下旬に加入したクリスキー投手も終盤から合流し、14試合で防御率1.93、7Sとブルペン陣を支えた。

ルーキーながら一軍でシーズン完走。若獅子も台頭

 苦しい運用となったリリーフ陣だったが、若獅子の活躍も光った。ドラフト4位ルーキー・青山美夏人投手のプロ初登板は開幕戦。セーブシチュエーションでの登板となったが、同点弾を浴びるほろ苦いデビューとなってしまう。4月2日にリベンジを果たしプロ初セーブを記録、その後もシーズンを通じて一軍に帯同し、39試合で防御率2.96、1H3Sとブルペン陣の一角として存在感を示した。

 育成の高卒3年目・豆田泰志投手は、7月下旬に支配下登録を勝ち取った。一軍昇格当初は、点差の開いた場面やビハインドでの登板が主だったものの、デビューから8試合連続無失点など好投を続け、8月15日にはプロ初ホールド、10月3日にはプロ初セーブもマーク。16試合で6H1S、防御率0.59と来季へ期待感を持たせた。

 それぞれが力を示した2023シーズン。28試合に登板し、複数イニングもこなしたボー・タカハシ投手は、渡辺久信GMからも先発への挑戦が明言されている。さらにドラフトでは1位・武内夏暉投手を3球団競合の末に獲得。来季もリーグトップクラスの投手陣で、優勝への礎を築けるか。

文・谷島弘紀

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