獅子は4点以上取らないと勝てないチーム。オリ、ハムは3点あれば十分に勝てるチーム

パ・リーグ インサイト 松下雄馬

2018.7.14(土) 16:18

埼玉西武ライオンズ(C)PLM
埼玉西武ライオンズ(C)PLM

埼玉西武の前半戦は打で圧倒した

2018年シーズンの前半戦が終了し、オールスターブレイクに突入。80試合ほどを消化し、埼玉西武が2.5ゲーム差で北海道日本ハム以下を突き放し、4ゲーム差で福岡ソフトバンク、オリックス、千葉ロッテ。さらにその後ろに東北楽天が続いている状況だ。

シーズン開幕直後から首位・埼玉西武の打線の破壊力はずば抜けており、チーム打率の.276、チーム得点の436はともに大差をつけての両リーグトップの数字。一方で、チーム防御率の4.30は同10位と、打高投低で成り立っている今季のチーム状況だ。これは2001年の大阪近鉄がチーム打率.280、チーム防御率4.98でリーグ制覇を成し遂げたシーズンに近いものがあると言える。

さて、タイトルにある、埼玉西武は“4点以上取らないと勝てない”という点に触れていきたい。今季ここまでの46勝を振り返ると、3得点以内で勝利した試合がわずか5試合。得点を奪えば奪うほど勝率が上昇するのは当たり前のことだが、北海道日本ハムは3得点以下で11勝、オリックスは12勝と、わずかな得点でも白星を積み重ねられている状況だ。

【埼玉西武・得点別勝敗】
0点 5試合 0勝5敗0分 勝率.000
1点 4試合 0勝4敗0分 勝率.000
2点 10試合 3勝7敗0分 勝率.300
3点 8試合 2勝5敗1分 勝率.286
4点 3試合 2勝1敗0分 勝率.667
5点 12試合 6勝6敗0分 勝率.500
6点 5試合 4勝1敗0分 勝率.800
7点 9試合 8勝1敗0分 勝率.889
8点 6試合 5勝1敗0分 勝率.833
9点 5試合 5勝0敗0分 勝率1.000
10点~ 11試合11勝0敗0分 勝率1.000

埼玉西武が秋の短期決戦を見据えていくためには…

今季の先発陣の9回完投数は2(多和田投手が2)と、ほぼ全試合で救援陣の力が必要となる現状、何としてでもその救援陣を再整備する必要がある。シーズン序盤に高橋朋投手が故障で離脱し、頼みの増田投手が不調で、全投手が防御率3点以上と試行錯誤が続くが、ここに1人でも確実に抑えられる救世主が現れれば非常に心強い存在となる。

これまでの戦い方を継続し、打ち勝つ野球を展開していくか。それとも“投”の力で接戦をものにしていくか。秋の短期決戦での戦いを見据えていくためには、後者を充実させていく必要があると言えるのではないだろうか。

記事提供:

パ・リーグ インサイト 松下雄馬

この記事をシェア

  • X
  • Facebook
  • LINE