オリックス対阪神の「関西ダービー」頂上決戦 セ王者の顔ぶれをチェック

パ・リーグ インサイト

2023.10.27(金) 07:00

オリックス・バファローズ・山本由伸投手【写真:球団提供】
オリックス・バファローズ・山本由伸投手【写真:球団提供】

「2023 パーソル クライマックスシリーズ パ」を突破したオリックス。10月28日(土)から「SMBC日本シリーズ2023」でセ・リーグ優勝チームの阪神と激突する。頂上決戦が始まる前に今シーズンの交流戦の戦績と、対戦チームの特徴を見ていく。

交流戦はオリックスが2勝1敗で勝ち越し

 両軍の直近の対戦は、6月に甲子園球場で行われた「日本生命セ・パ交流戦」。このときはオリックスが2勝1敗で勝ち越している。

オリックスと阪神の交流戦結果(C)パーソル パ・リーグTV
オリックスと阪神の交流戦結果(C)パーソル パ・リーグTV

 6月13日の試合は日本シリーズ第1戦での先発も予想される、山本由伸投手と村上頌樹投手による投げ合いだった。山本投手は8回を被安打わずか2、11奪三振の無失点と貫禄の投球。一方、村上投手も8回を4安打2失点と好投を披露した。緊迫の投手戦で少ないチャンスをものにしたオリックスが2対0で勝利している。

【8回裏】ハーラートップタイ6勝目!! バファローズ・山本由伸 気迫のこもる投球で8回11奪三振無失点!! 2023年6月13日 阪神タイガース 対 オリックス・バファローズ

 6月14日、森友哉選手の適時打で先制したオリックスだったが、ルーキーの曽谷龍平投手が阪神打線にプロの洗礼を浴びた。初回にミエセス選手と佐藤輝明選手の連打で4失点し、無念の4回途中降板。打線は廣岡大志選手が2安打2打点と奮闘するも、投手陣が2桁安打を許し、3対8で阪神に敗れた。

【7回表】バファローズ・廣岡大志 サード強襲のタイムリー内野安打で1点を返す!! 2023年6月14日 阪神タイガース 対 オリックス・バファローズ

 6月15日は劇的な結末になった。オリックスは阪神先発・伊藤将司投手の前に7回4安打1失点に抑え込まれてしまい、1点ビハインドのまま試合は終盤へ。すると9回表、1死から頓宮裕真選手が同点ソロを放つと、さらに2死から杉本裕太郎選手は勝ち越し本塁打。土壇場で2本のアーチが飛び出し、オリックスが逆転勝利をおさめた。

【9回表】値千金の勝ち越し弾!! バファローズ・杉本裕太郎 打った瞬間確信の特大アーチ!! 2023年6月15日 阪神タイガース 対 オリックス・バファローズ

セ・リーグ王者・阪神はどんなチーム?

 18年ぶりにセ・リーグ優勝を果たした阪神。オリックスとは対照的にスタメンをほぼ固定してシーズンを戦い抜いた。1番・近本光司選手は28盗塁で盗塁王、リーグ最多の三塁打12本と足が武器。2番・中野拓夢選手は164安打で最多安打のタイトルを獲得している。

 セ・リーグ最多の494四球を選んでいることも今年の阪神の特徴。特に4番・大山悠輔選手はリーグ最多99四球を記録し、.403で最高出塁率者賞に輝いた。そして5番・佐藤輝明選手は2年ぶりに二軍落ちを経験したが、優勝の懸かったシーズン終盤に調子を上げると、9、10月度の月間MVPを受賞。

 下位打線もあなどれない。「恐怖の8番」木浪聖也選手は、広島とのクライマックスシリーズで10打数5安打1打点と活躍。負けなし3連勝での日本シリーズ進出に貢献した。

 一方、阪神の投手陣というと、山本投手との「最優秀防御率対決」が楽しみな村上投手のほかにもタレント揃い。現役ドラフトで福岡ソフトバンクから阪神に移籍した大竹耕太郎投手は12勝2敗、防御率2.26と飛躍のシーズンを送った。クライマックスシリーズでの登板はなかったが、交流戦で防御率0.00と躍進した才木浩人投手や、9月に3勝0敗と状態を上げた西勇輝投手も、オリックス打線にとって手強い存在となりそう。ブルペン陣も盤石で、抑えの岩崎優投手はセ・リーグ最多35セーブを挙げている。

主力の状態が心配だが…… 2年連続日本一へ今こそ「全員で勝つ」

 オリックスは日本シリーズを前に主力の状態が気がかり。昨年の日本シリーズMVP・杉本裕太郎選手は、先日のパーソル CS パで14打数6安打3打点と活躍していたが、21日の第4戦で左足首の痛みのため途中交代。紅林弘太郎選手は第4戦がベンチ外、パーソル パ・リーグ首位打者の頓宮裕真選手も骨折から復帰したばかり。

 それでも「全員で勝つ」を合言葉に開幕から勝利を積み重ねてきたオリックス。森友哉選手やセデーニョ選手の日本シリーズ初出場組は、パーソル CS パでもいい場面で一発が出ているだけに期待がかかる。また昨年、投打で日本一に貢献した山崎福也投手。甲子園は高校時代、春のセンバツで1大会通算最多タイ13安打を記録した思い出の地だ。DH制でなくなる敵地での登板となれば、再び投打二刀流での働きぶりは見どころに。

 1964年の南海対阪神以来、59年ぶりとなる日本シリーズでの「関西ダービー」。2年連続日本一を目指す戦いは、オリックスの本拠地・京セラドーム大阪で幕を開ける。

文・菊地綾子

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