投打の同時受賞は21年ぶり。千葉ロッテの投打の軸がともに初のタイトル

パ・リーグ インサイト 望月遼太

2018.7.10(火) 15:53

千葉ロッテマリーンズ・ボルシンガー投手(C)PLM
千葉ロッテマリーンズ・ボルシンガー投手(C)PLM

7月10日、NPBより2018年6月度の「日本生命月間MVP賞」受賞選手が発表された。セ・リーグは東京ヤクルトの小川泰弘投手と青木宣親外野手が受賞し、パ・リーグでは千葉ロッテのマイク・ボルシンガー投手と角中勝也外野手の2人が受賞した。パ・リーグ受賞選手の成績は以下の通りだ。

【投手】
千葉ロッテ・ボルシンガー投手(自身初)
6月成績:5試合、5勝0敗、35回、27奪三振、防御率2.31

今季から千葉ロッテの一員となったボルシンガー投手は、来日1年目から先発陣の軸の一人として抜群の存在感を発揮している。4試合の登板で4連勝を記録した5月に続き、6月にも登板した5試合すべてで白星を飾って防御率も2点台前半。自身初体験となった交流戦も、全く苦にするところはなかった。

とりわけ印象に残ったのが6月16日の巨人戦で見せた快投で、味方からの援護は初回に挙げた1点のみだったにもかかわらず、それを最後まで一人で守り抜いて来日初完封を記録。動く直球と落差の大きいナックルカーブを軸に、相手打線に付け入る隙を与えなかった。

会見では「本当に名誉なことですし、大変光栄に思います。6月はしっかりとした投球ができましたし、白星先行で行けたのが非常に良かったです。引き続き良い投球をして頑張っていきたいです」と語り、後半戦に向けて気を引き締めていた。

ボルシンガー投手は月を跨いで7月7日に行われた北海道日本ハム戦でも白星を挙げ、これで自身の連勝を2桁となる10まで伸ばしている。間近に迫ったマイナビオールスターゲーム2018への出場も決めている助っ人右腕が、球宴、そして後半戦でどんな投球内容を見せてくれるのか注目されるところだ。

【野手】
千葉ロッテ・角中選手(自身初)
6月成績:22試合、81打数32安打、16打点、2本塁打、打率.395

今季は開幕4番として構想されながらも故障によって出遅れる形となったが、復帰後は徐々に調子を取り戻し、優れた打撃センスを随所に発揮していく。6月には全22試合で4番に座って4割近い打率を残し、8度のマルチ安打を記録。ケガもあって物足りない成績に終わった昨季とは明らかに違った姿を見せつつある。

特に交流戦で見せたバッティングは特筆すべきもので、6月7日の中日戦では4安打4打点の大活躍。この試合を含めて4度の猛打賞を記録しただけでなく、無安打に終わった試合はわずか2つと、その安定感は卓越していた。最終的には打率.412という数字を残し、見事に交流戦の首位打者へと輝いている。

2度の首位打者、1度の最多安打に輝くなどヒットメーカーとして十二分の実績を持つ角中選手だが、意外にも月間MVPの獲得は12年のプロ生活で初の経験だ。「12年目で初めてなので、素直に嬉しいです」と受賞の喜びを語った巧打者は、今後も安定感と勝負強さを兼ね備えた打撃でチームを牽引していってくれるだろうか。


千葉ロッテの選手が同じ月に投手と野手の月間MVPを同時受賞するのは、1997年4月度の河本育之氏と小坂誠氏以来、実に21年ぶりの快挙となる。前評判を覆す戦いぶりを見せるチームの投打の軸でもある2人の活躍は、2年ぶりのAクラスを目指すチームにとっても欠かせないものとなるはずだ。

記事提供:

パ・リーグ インサイト 望月遼太

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